岡江久美子さん死去…自宅の無言の帰宅

新型コロナウイルスによる肺炎のため亡くなった、岡江久美子さん(63)。
その遺骨が24日、夫の大和田獏さん(69)が待つ自宅に無言の帰宅を果たした。

大和田獏さん:
すみません。こんな形でしか対応できないことを申し訳なく思います。久美子は今帰ってまいりました。こんな形の帰宅は本当に残念で、悔しくて悲しいです。どうか皆さんもくれぐれもお気をつけください。それが残された家族の願いです。ご苦労さまでした。ありがとうございます。静かに送りたいと思います。

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1975年に芸能界デビューした岡江久美子さん。
マルチな庶民派女優として活躍し、1996年に始まったTBSの情報番組「はなまるマーケット」では番組の司会を務め、長年朝の顔としてお茶の間に親しまれた。

大和田獏さん(当時32):
(プロポーズは)「結婚しようじゃないか」と、「結婚しよう」と。

岡江久美子さん(当時26):
最初に言った一言が「わあ平凡ね」と。でも平凡な方が、ドラマのセリフ聞いてるみたいじゃなくて、とっても印象深い。

私生活では、1983年・26歳の時にクイズ番組で共演していた俳優の大和田獏さんと結婚。
おしどり夫婦として知られた二人だったが、大和田さんは岡江さんの死を看取ることはできなかったという。

63歳という早すぎる死に、長年ドラマで夫婦役を演じてきた俳優の綿引勝彦さん(74)は「つらくて悲しくて ゆっくり、ゆっくり休んでください」とコメントしている。

重症化の原因は…乳がん患者の経験談

新型コロナウイルスに感染後、容体が急変したという岡江さん。
所属事務所の訃報の知らせには乳がんの治療についても書かれていた。

岡江久美子さんの事務所コメント:
昨年末に初期の乳がん手術をし、1月末から2月半ばまで放射線治療を行い、免疫力が低下したのが重症化した原因かと思われます。

乳がんを患った経験を持つお笑いタレントのだいたひかるさん(44)は24日に更新したブログの中で「岡江さんの訃報はとてもショックでした。乳がんであったことは今回の報道で知ったのですが…術後間もない方や、抗がん剤や放射線治療中の方なども、コロナの恐ろしさを思い知らされました」と語った。

乳がんの患者の会「あけぼの兵庫」の代表・川野紀子さん(66)は、14年前に乳房の温存手術の後、放射線治療を受けた際の経験をこう語っている。

川野紀子さん:
放射線治療そのものはベッドの上に横になって寝るだけなんですよ。1、2分くらい放射線をあてるだけだったので痛みも伴いませんし、苦痛もありませんでした。軽い肺炎にはなりかけました。放射線をあてることによって、ちょっと肺が弱ったみたいになったんじゃないかな、っていう主治医の説明でした。

1か月間、両胸に放射線をあて続けた際、体調に異変を感じたという川野さん。
主治医からは「放射線で肺に軽いダメージを受けた」と言う説明があったという。

悪化の背景には「免疫力の低下よりも病気の“本質”」

では、同じような“ダメージ”を、岡江さんの肺も受けていたのだろうか。
専門家によると…

昭和大学医学部・二木芳人客員教授:
(放射線治療の)期間を聞いてみても、1月の終わりから2月の中旬という比較的短期間ですし、線量(放射線をあてる量)も少ないと思いますので、それほど大きなダメージが肺や免疫状態にあるとは考えにくいですね。ですから今回の件は、(免疫力の低下よりも)この病気(新型コロナ)の本質ですよね。軽症だと思っていても急に悪くなるということがあるので、そのために急に悪化したというふうに取る方が自然だと思います。

東京では、24日も161人の感染を確認。
4月14日から11日連続で、1日の感染者が100人を上回っている。

元気になってから報告するつもりで、あえて感染を公表しなかったという岡江さん。
日本中を暖かくさせたあの笑顔は二度と戻ってこない。

(「Live News it!」4月24日放送分より)