「ミスタープロ野球」こと長嶋茂雄さんが89歳の生涯を閉じた。福岡でも号外が配られ、悲しみの声が聞かれた。
2000年には“ON対決”も
号外が配布されたJR博多駅前。配られた号外を手にした男性は「いつかは、とは思ってましたけど。まさか。かなりショックです」と驚きを隠せない表情だった。

また“ON対決”からホークスファンになったという男性は「あの対決から、すごい野球好きになったので、やっぱり王さんと長嶋さんの影響ってすごいなと思っているので、ショックですね」と号外の文字に肩を落としていた。

福岡の人たちにとって思い出深いのが2000年の日本シリーズ。当時のダイエーホークスの王貞治監督との“ON対決”で大いに盛り上がった。
「不思議な魅力があった人…」
かつて長嶋茂雄氏とともにV9時代の巨人を支え、ON砲と称された福岡ソフトバンクホークスの王貞治会長(85)は「グラウンドでのプレーだけじゃなくてはやり、人となりというかね、やっぱりとにかくユーモラスなところもあったし明るいし、というかね、だからまあ、長嶋さんなら何でも許されちゃうというような不思議な存在でした」

「打てなくても落ち込むわけじゃないし、打ったからといって偉そうにするわけでもないし、不思議な魅力というかね、そういったものがありましたね」と言葉を絞り出すようにして思い出を語った。

またホークスの小久保裕紀監督(53)は「ファンあってのプロ野球、ファンの人が球場に足を運んでくれるから我々の職業が成り立っているんだという、その根底を一番体現されていた方だと思うので…。野球、まさにその象徴だったなと思います」と語った。

世代を超えて愛されたミスタープロ野球
長嶋さんが1991年に北九州市で少年野球教室を行ったときの映像が、テレビ西日本に残っている。

「はい構えて!構えたらみんな一斉に立って構える。はい構えた!」と元気に子どもたちを指導する長嶋さん。当時の子どもたちにとっても長嶋さんは大スター。長嶋さんがステージでスイングを披露すると子どもたちからは大歓声が沸き上がった。

そしてアンコールの大合唱。すると長島さんは「ちょっと背筋がボキボキと言ったような気がしますけど」と何ともユーモラスな回答。ミスターの周りは、いつも笑顔が溢れていた。

世代を超えて愛されたミスタープロ野球、長嶋茂雄さん。ありがとう。
(テレビ西日本)