容量を考えるときは、それぞれの家電の「消費電力×使う時間」を足します。短時間しか使わない電子レンジまで、一晩中動かすものとして計算する必要はありません。
もうひとつ知っておきたいのは、表示された容量を、そのまま全部取り出せるわけではないことです。貯めた電気を家庭のコンセントと同じ交流へ変換するときに損失が生じ、本体を動かすためにも電気を使います。
私はACコンセントから家電を使う場合、表示容量の8割ほどを使えると仮定して、大まかな見通しを立てています。消費電力が一定の100Wの家電を10時間使うなら、100W×10時間÷0.8で、必要な容量は1250Whという計算です。
実測した例もあります。我が家の600Lの冷蔵庫を2000Whクラスのポータブル電源だけで動かしたところ、およそ1日半もちました。
冷蔵庫はずっと同じ電力を使うわけではありません。室温やドアの開け閉めによっても変わるため、この結果は我が家で試した一例です。エアコンも同様に、使用環境によって動かせる時間が変わります。
こうした家電は、メーカーの使用時間の目安や実測例を、試した条件とあわせて確認します。「一晩使いたい」など、必要な時間を決めてから容量を見ていくと、候補を絞りやすくなります。
チェックポイント(3)電池の種類
現在、ポータブル電源に使われる電池は、「リン酸鉄リチウムイオン電池」と「三元系リチウムイオン電池」の2種類があります。
災害への備えとして長く使うなら、私は「リン酸鉄リチウムイオン電池」の製品を選びます。充放電を繰り返せる回数が多く、熱に対して安定していることが理由です。
また、仕様にある「充放電サイクル数」も参考になります。例えば「3000回後も初期容量の80%を維持」といった表示です。回数だけでなく、その時点でどれくらい容量が残るという意味なのかを見ます。ただし、その回数まで製品全体が故障しないという保証ではありません。
冬の停電で暖房が止まると、室内も冷え込みます。そんなときにも必要な家電を動かせるよう、購入前に、何℃まで給電できるかを確認しておきます。特に寒冷地では、出力や容量とあわせて見ておきたい条件です。
チェックポイント(4)充電方式
製品を比べるときは「家庭のコンセントから満充電までにかかる時間」を確認します。線状降水帯や台風、大雪への備えなどでは、家庭のコンセントから短時間で充電できることが役立ちます。天気予報を見てからでも、停電する前に備えを整えやすくなるからです。
一方、地震のように突然停電する場合は、その場で慌てて充電することはできません。普段から残量を確認しておくことが大事です。
数日間の停電まで考えるなら、貯めた電気を補う方法も考えておきたいところ。庭などに日当たりがよく、パネルを広げられる場所があれば、ソーラーパネルも一緒に備えるとよいと思います。充電できる量は天候によって変わりますが、晴れ間を利用して電気を補えることは、停電が長引いたときの心強い備えになります。
チェックポイント(5)サイズ・重量
容量が大きくなると、本体も重くなります。私が使ってきた製品では、おおよそ1000Whクラスで10kg台前半、2000Whクラスで20kg前後、3000Whクラスでは30kg前後から、重いものは40kgを超えます。製品によって差はありますが、重さを考える目安になります。

