繊維製品品質管理士、クリーニング師、災害備蓄管理士の資格を持ち、全国各地で災害から命を守る「服の備え」に関する講演活動をしてきた須田雅太郎さん。
専門家ならではの視点で、いざという時のために備えておくべき服のチェックリストを作成・解説してもらいます。
避難所では服の支給は期待できない
災害が起きた際に着の身着のまま避難した場合、着替えることができずに避難生活をすることになります。
服は家にあるから大丈夫!という考えでは命を守ることはできません。その家がなくなってしまうのが災害です。
日本は世界的に見ても災害大国と言われている一方で、特に避難所の環境においては世界でも類を見ないほど劣悪です。避難所の様子は100年前とほとんど変わっていません。
自治体によっても異なりますが、避難所などでは毛布は支給されるケースが多いものの、災害の規模にもよりますが、国によるプッシュ型支援では服が被災者の手元に届くまでに何日もかかります。たとえ届いても、必ずしも自分の性別やサイズに合ったものを得られるとは限りません。
災害発生直後の服の役割は命の保護
石川県の発表によると、2026年6月の時点で死者数は743人、うち災害関連死は515人で約7割が災害関連死です。また警察庁情報(令和7年2月末時点。石川県が発表した死者(災害関連死を除く)のうち、警察が取り扱った226名を対象としたもの)によると、寒さの影響により低体温症・凍死で亡くなった方は31名で、直接死の13.7%を占めています(令和7年度 防災白書)。
地震による被害から生き延びた大切な命が、過酷な避難生活の中で失われています。
