東日本大震災での経験をもとに、ポータブル電源の専門ブログを開設してさまざまな情報を発信している京寺美里さん。
約2カ月に及ぶ車での避難生活についてと、そのときに実感した「電気の備え」の必要性を解説してもらいます。
愛犬と散歩中に被災
私はもともと、防災意識が高い人間ではありませんでした。
東日本大震災が起きた、2011年3月11日。高校を卒業したばかりだったものの、すでに運転免許を取得していた私は、車で父の仕事先である宮城県多賀城市に、愛犬と一緒に来ていました。
その日の午後、愛犬と街を散歩している最中に、大きな揺れに遭いました。
向かいの建物からガラスが道路に飛び散り、車の展示場では、動き出した車を社員の方々が必死に押さえています。立っているのも難しい揺れの中、私はとにかく愛犬を抱きかかえ、駐車場へ戻るのが精いっぱいでした。
「これは普通の地震ではない。家に帰れないかもしれない」
そう思い、近くの店で食べ物や飲み物、ドッグフード、乾電池などを買いました。停電でレジは動かず、お店の方が計算機で金額を出してくれたのを覚えています。
信号も止まり、道路には倒れたブロック。車で無理に動くのは危ないと感じ、その夜は愛犬と車の中で過ごしました。
翌日、父の家に戻ると、ドアや窓はゆがみ、室内も大きく乱れ、通常通り生活できる状態ではなくなっていました。
そして、仕事に出ていた父は、津波で亡くなりました。しばらくは安否も分からなかったので、私は愛犬と車を拠点に、父の行方を探す時間を過ごしました。
当時は今ほどペット同行避難への理解も広がっておらず、愛犬がいる私には、避難所で過ごすことも簡単ではありません。結果として、約2カ月、車を中心にした避難生活が続きました。
電気はすぐには手に入らない
車を拠点にした生活で特に困ったのは、暗さ、寒さ、情報不足、そして「充電」でした。

