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「GXがやりたくなる仕組み」を、社会に実装する 環境価値を経済価値へ バイウィルが挑む「GXで日本再成長」|FNNプライムオンライン
GXは日本を「救える」のか Sponsored by BYWILL

「GXがやりたくなる仕組み」を、社会に実装する 環境価値を経済価値へ バイウィルが挑む「GXで日本再成長」

「GXがやりたくなる仕組み」を、社会に実装する 環境価値を経済価値へ バイウィルが挑む「GXで日本再成長」|FNNプライムオンライン
株式会社バイウィル
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かつて世界経済を席巻した日本が、長い低成長の時代に入って30年あまり。デジタル化やグローバル化など世界の競争軸が変わる中、日本は幾度も再成長のきっかけを探してきた。いま、次の大きな構造変化として注目されているのがGX(グリーントランスフォーメーション)だ。GXとは脱炭素とエネルギーの安定供給を両立させると同時に、経済成長につなげる社会への転換を指す。政府も、今後10年間で150兆円を超える官民のGX投資を実現する方針を掲げている。

一方、脱炭素への投資が、そのまま企業の利益や競争力、日本経済の成長につながるわけではない。環境への取り組みを、どう経済価値へ変えていくのか。その実装に取り組む企業の一つが、東京・銀座に本社を置く株式会社バイウィルだ。

同社は、森林管理や省エネ、再生可能エネルギーなどによるCO2の削減・吸収効果をJ-クレジット(※1)などの「環境価値」として可視化し、収益化する事業を展開。全国の地域金融機関や自治体とのネットワークを生かし、地域に眠る環境価値を発掘している。2026年9月時点でパートナーは393団体、創出検討案件数は4,056件、創出契約済みの環境価値は475.5万tに達するという(※2)。J-クレジットのプロジェクト登録数や方法論カバー率でも、制度公式サイトの公表データを基にした同社集計で国内最多としている(※3)。

特徴は、環境価値を売買するだけでなく、「GXを実行できない理由」そのものを取り除こうとしている点だ。J-クレジット創出支援では、認証から販売にいたる複雑な実務を担い、売上が生まれて初めて収益を得る完全成果報酬型を採用。さらに、脱炭素設備などを第三者保有する「GX-Value Engineering(以下、GXVE)」を通じ、導入企業の初期投資を抑えてGXを前に進める仕組みも展開している。

なぜ、こうした事業を手掛けるのか。そしてGXは、日本の「失われた30年」を終わらせるきっかけになり得るのか。バイウィル取締役CSO兼カーボンニュートラル総研所長の伊佐陽介氏に聞いた。

(聞き手:フリーアナウンサー 石本沙織)

脱炭素と経済成長を同時に動かす「Climate Asset Developer」

――バイウィルは、GXをどのように事業として実装しているのでしょうか。

伊佐:私たちは、環境価値を起点に、脱炭素と経済成長を同時に進める会社です。パーパスは「ずっと愛される日本を。意志の力で。」。環境への貢献を経済価値に変え、その収益が次の脱炭素投資を生む循環をつくろうとしています。

環境に良い取り組みでも、初期投資が重い、制度手続きが複雑、収益化が見えない、といった理由で実行されないことがあります。そこでJ-クレジット創出支援では、登録・モニタリング・審査・販売までを一気通貫で担い、創出費用も共同で負担しながら、売上が生まれて初めて収益をいただく完全成果報酬型の仕組みにしています。

GXVEでは、省エネ機器などを当社側が保有・投資し、企業の初期負担を抑えて導入を進めます。つまり私たちがやりたいのは、環境価値を単に売買することではなく、GXを止めている資金・手間・リスクの壁を取り除くことです。

その意味を込めて、自社を「Climate Asset Developer」と位置付けています。気候変動対応によって価値を生み出す資産を見つけ、形にし、事業として活かす。GXが経済的なリターンを生めば、「やるべきこと」から「やりたくなること」に変わっていくと考えています。

地域の「信頼」とGXの専門性を掛け合わせる

――全国で事業を広げられている強みは何ですか。

伊佐:最大の強みは、地域金融機関や自治体など、地域の中核プレイヤーとの連携です。森林、農業、再生可能エネルギー、省エネ余地のある企業など、GXの種は全国に分散しています。一方、私たちだけでそれらを発掘し、地域との信頼関係をゼロから築くのには限界があります。

そこで、地域を深く知る金融機関や自治体のネットワークと、私たちの制度知識、事業設計、認証実務、販売力を掛け合わせています。地域で生まれた環境価値を収益として還元し、それを森林整備や設備更新、次の産業投資につなげる。「脱炭素」と「地域経済」を同時に動かす資金循環をつくることが狙いです。

佐賀県の唐津市の森林。2024年唐津市、地元森林組合、地元銀⾏と連携協定を結び、森林経営計画(1373.83ha)内でJ-クレジット認証取得に取り組み、地域産業の投資へつなぐ
佐賀県の唐津市の森林。2024年唐津市、地元森林組合、地元銀⾏と連携協定を結び、森林経営計画(1373.83ha)内でJ-クレジット認証取得に取り組み、地域産業の投資へつなぐ

GXに「正解がない」から、総研を持つ

――事業会社の中に「カーボンニュートラル総研」を置く理由は何でしょうか。

伊佐:GXは、まだ世界的にも正解が固まっていない領域です。技術、制度、資本市場の評価軸が速いスピードで変わり、カーボンニュートラルだけでなく、サーキュラーエコノミーや自然資本、さらには単独企業を超えたサプライチェーン全体での取り組みなど、論点も広がっています。

バイウィルが「GXをやりたくなる世界」を実現するには、既存の制度やビジネスモデルの中だけで考えていては足りません。世界の変化を広く、多角的に、深く追い、その意味を企業経営の視点で考え、新しいビジネスモデルや社会システムを自ら検討・実証するR&D機能が必要です。

総研のミッションは「先進事例創出」、「トレンド形成」、「ルールメイク」の3つです。企業とGXを事業成長や企業価値につなぐ先進事例をつくる。国内外の動向を分析し、新しい論点を社会へ発信する。そして、実装現場で見えた課題を政策提言につなげ、GXが進みやすいルールづくりにも関わる。研究と実装を往復することが、事業会社の中に総研を持つ意味だと思っています。

2024年秋に地域脱炭素推進コンソーシアムを設立。伊佐氏が所長をつとめるカーボンニュートラル総研が脱炭素に伴う調査や知見を提供し、様々な市場モデルを構築する
2024年秋に地域脱炭素推進コンソーシアムを設立。伊佐氏が所長をつとめるカーボンニュートラル総研が脱炭素に伴う調査や知見を提供し、様々な市場モデルを構築する

「非財務」を、競争力と企業価値へつなぐ

――伊佐さん自身は、なぜGXを「企業価値」の視点から捉えているのでしょうか。

伊佐:私はもともと企業ブランディングのコンサルタントです。広告やロゴをつくるだけではなく、「企業は何者で、どこへ向かうのか」を定め、経営戦略、事業、組織、コミュニケーションまで一貫させる支援をしてきました。

その中で提唱してきたのが「サステナビリティ・ブランディング」です。環境や人的資本などの非財務の取り組みを、良い活動として並べるのではなく、競争力や将来キャッシュフロー、企業価値にどうつなげるか。要するに「持続的に成長できる企業そのものをつくる」という考え方です。

2023年以降はGX領域に軸足を置き、大企業から中小企業までのコンサルティング、官公庁関連事業や検討の場への参画、市場分析、政策提言などに取り組んできました。私にとってブランディングとGXは別物ではなく、「社会の変化を、企業の長期的な競争優位へどう変えるか」という同じ問いにつながっています。

「日本企業はダメだった」のではない。ゲームルールが変わった

――今回の特集では「失われた30年」を掲げています。なぜGXと日本の再成長を結びつけるのでしょうか。

伊佐:日本企業が30年間、何もしてこなかった、経営者が怠慢だった、という話ではないと思っています。多くの企業は、その時々のルールの中では合理的に経営してきた。問題は、世界のゲームルールそのものが変わったとき、過去の成功モデルを新しい成長モデルへ十分に転換できなかったことです。

戦後の日本は、品質や生産性を磨く「工業化社会」の競争で大きく成長しました。その後、デジタルやソフトウェア、プラットフォームなどへ企業価値の源泉が移る中、日本にもIT革命やDXという転機はありましたが、それを世界で主導する新しい成長機軸にまで昇華できなかった。

だからこそ、次のゲームルールでは先回りして勝ち筋をつくる必要がある。その有力な候補の一つがGXだと考えています。気候変動、資源制約、エネルギー安全保障、自然資本は、世界中の企業や政府が向き合う共通課題ですが、まだ完成された勝ち方はありません。日本には素材、省エネ、ものづくり、エネルギーなどGXに直結する強みがあります。

ただし「技術があるから勝てる」、「GX投資を増やせば企業価値が上がる」という話でもありません。技術や環境価値を顧客価値へ変え、事業にして利益を生み、次の投資へ回すことが必要です。私は、サステナビリティの本質は「長期で稼ぎ続けられるビジネスモデルをつくること」だと考えています。GXは、そのビジネスモデルを作り直す大きなドライバーになり得ます。

GXで、産業と自然はどう循環できるのか ※イメージ
GXで、産業と自然はどう循環できるのか ※イメージ

「次世代が誇りと愛着を持てる日本」をつくりたい

――その先に、どんな日本を目指していますか。

伊佐:私自身の根底にあるのは、「日本を世界で最もエクセレントで、ユニークな国にしたい」という思いです。そのためには、日本企業が一時的な利益だけではなく、他社には簡単に真似できない競争優位を持ち、長期で成長し続けることが必要です。

次の世代が、日本に生まれたこと、日本で働くことに誇りや愛着を持てる国にしたい。バイウィルの「ずっと愛される日本を。意志の力で。」というパーパスも、その思いを表しています。

もちろん、GXが日本再成長の「答え」だと証明されているわけではありません。政策をつくるだけでも、CO2を減らすだけでも足りない。技術、企業、金融、行政、地域、需要家をどう融合し、成長するビジネスへ変えるのか。そこにまだ多くの課題があります。

だからこそ、この特集では「GXは本当に失われた30年を終わらせるきっかけになり得るのか」を、さまざまな立場の方と考えていきたい。GXをサステナビリティ・環境部門だけの話ではなく、企業経営や日本経済、そして私たち一人ひとりの未来の話として捉えるきっかけになればと思っています。

 

FNNプライムオンラインでは今後、伊佐陽介氏をナビゲーターに、「失われた30年を終わらせる~GXで日本は再び成長できるか~」をテーマに特集企画を連載する。政策・ルールメイク、資本市場、そしてGXを実装する企業の現場を取材し、GXを企業や日本の成長へつなげるには何が必要なのかを検証していく。

伊佐陽介(いさ・ようすけ)

株式会社バイウィル 取締役CSO兼 カーボンニュートラル総研所長。早稲田大学卒業後、総合不動産デベロッパー、リンクアンドモチベーションを経て2013年に株式会社フォワードを設立。2020年に同社代表取締役就任。「サステナビリティ・ブランディング」を提唱し、企業の非財務価値を競争力・企業価値へ接続する経営支援に従事。2023年4月にバイウィル代表取締役COO、2025年3月から同社取締役CSO兼カーボンニュートラル総研所長に就任(現職)。GX戦略・事業開発、市場分析、政策提言などを手掛け、環境省「二国間JCM実施運営における環境十全性の向上及びストリームライン化支援事業」検討委員等を歴任。同省主催「地域脱炭素フォーラム2025 in 横浜」をはじめ各種フォーラム・セミナーへの登壇実績多数。著書に『サステナビリティ・ブランディング』(ダイヤモンド社)、『GXで評価される企業、されない企業~脱炭素をコストから企業価値へ変える経営戦略~』(東洋経済新報社)。

※1 J-クレジット:企業や自治体等が実施したCO₂削減・吸収の成果を国が認証し、売買可能な環境価値として取引できる制度である。
※2 バイウィルの数値実績は、同社公式サイト「5分でわかるバイウィル(https://www.bywill.co.jp/5min)」(2026年8月時点)による。
※3 J-クレジットの「プロジェクト登録数No.1」「方法論カバー率No.1」は、J-クレジット制度公式Webサイトの公表データをバイウィルが集計して算出。