梅雨入り前の6月、日本海側最大のウメの産地で収穫作業に汗を流すのは…おなじみのクロネコのユニフォームに身を包んだ運送会社のスタッフたち。担い手の高齢化で存続が危ぶまれる農産地と、地方の物流量減少に直面する物流業界。この社会課題を同時に解決する試みが、福井・若狭町で始まっている。

「新たなビジネスを模索」宅配業者が農業に目を付けた理由

地方における物流量の減少は、宅配業界が直面する避けられない課題だ。ヤマト運輸は、地方での業務縮小を見据え、将来的な収益減を補う新たなビジネスモデルを模索してきた。その中で目を付けたのが「農業」だった。

ウメの収穫作業をするヤマト運輸のスタッフたち
ウメの収穫作業をするヤマト運輸のスタッフたち
この記事の画像(7枚)

日本海側最大のウメの産地として知られる若狭町でも農家の高齢化が進み、収穫期に必要な人手の確保が年々難しくなっている。そこで、宅配のプロが持つ人員と運送技術を生かそうとウメ農家のバックアップ業務に参入した。

普段はドライバーや事務をしているスタッフたち
普段はドライバーや事務をしているスタッフたち

取材した日、ヤマト運輸のスタッフ16人が町内の農園を訪れ収穫作業にあたった。参加したのはドライバーや事務職員など、普段は農業とは無縁の業務担当者たちだ。

“ネコの手”も借りたい収穫作業
“ネコの手”も借りたい収穫作業

スタッフたちは慣れない手つきながらもウメを丁寧にもいでいく。受け入れ農家は「来ていただく人もなかなかないもんでね」と語り、若い働き手が集まったことへの感謝を口にする。

運送もお手の物
運送もお手の物

収穫を終え、カゴに山盛りになったウメをトラックの荷台へ積み込むのも、ヤマト運輸のスタッフたちだ。選果場までの運搬も引き受ける。収穫・積み込み・輸送という一連の作業を同じチームがシームレスにこなす体制は、宅配業者ならではの強みといえる。

「福井梅のブランドを絶やさないように」

ヤマト運輸・若狭営業所の前田悦子所長は「農家の高齢化が進んでいるということで、福井梅のブランドを絶やさないようを支援していけたら」と参入の理由を語る。

今回の取り組みを実証実験と位置付け、今後はウメ以外の農産物でも運搬から商品の発送まで農家をトータルで支える体制の構築を目指す。

今後は他の農産物に対象拡大も
今後は他の農産物に対象拡大も

農家の宅配業者の新たな収益源と農家の担い手不足を補うこの取り組み。今後の展開に注目だ。

福井テレビ
福井テレビ

福井の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。