夏になると増える川遊びの事故。

川底が見えて一見穏やかな流れでも、実は予想外の危険が潜んでいる。

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石に生えている苔で滑ったり、急な深みで転倒すると、立ち上がろうとしても複雑な水の流れでバランスを崩しそのまま流されて溺れてしまう事故が後を絶たない。

川遊びにはどんな危険が潜み、いざという時はどう行動するべきか。

元警察庁指定広域技能指導官で広域災害危機管理アドバイザーの齊藤昌巳氏に「流水の危険性」と、緊急時に役立つペットボトルを使った「浮き輪」や「救命胴衣」の作り方などを教えてもらった。

「動水圧」の脅威

川が危険な理由は、複雑な「水流」と「動水圧」だ。

動水圧とは、水が流れているときに発生する圧力のこと。川面は穏やかに見えても、水中は予想以上の流れがあることがある。

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動水圧の威力について一例を紹介する。

時速20キロで流れる川に転落したら、体はどれだけの圧力を受けるのか考えてみよう。

時速20キロは秒速約5.6メートル、これはマラソンの日本記録保持者の大迫傑選手が走るのとほぼ同じ速さだ。

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この速さを圧力に換算すると、秒速1メートルの水圧は約7.7キログラム。

水圧は流速の2乗に比例するので、秒速2メートルは2倍ではなく4倍になる。

ということは、秒速5.6メートルの流速は、5.6×5.6で31.36倍に。

つまり時速20キロで流れる川の動水圧は、7.7キログラム×31.36倍で、「約240キログラム」の力がかかる計算となる。

言い換えれば、この動水圧に耐えられる人は、迫ってくる約240キロの物体を押し返すだけの体力が必要なのだ。