救出された人が「過食」で死亡?

城内から助け出された人々を気の毒に思ったのか、秀吉軍から食物が与えられましたが、過食したゆえに死亡してしまった人もいるそうです。

現代医学では「リフィーディング症候群」という現象があり、栄養不良の人間が急に食事を行うと、意識障害、心不全のリスクがあるらしく、彼らもそれに陥ってしまったのではないでしょうか。

戦国時代というと、とかく勇猛果敢な場面が注目されがちですが、実際には「末法の世」としかいえない時代だったともいえます。籠城戦の実態を知れば知るほど、城は「兵(つわもの)ども」だけでない、庶民にとっても「夢の跡」であることがよくわかります。もっとも、その夢は「悪夢」でしかなかったのですが。

今泉慎一(いまいずみ・しんいち)
古城探訪家。編集プロダクション・風来堂代表。著書に『戦う山城50』(イースト・プレス)『おもしろ探訪 日本の城』(扶桑社)など。

今泉慎一
今泉慎一

古城探訪家。1975年、広島県生まれ。編集プロダクション・風来堂代表。旅と歴史とサブカルチャーが得意分野。企画、編集、ライターから撮影までよろず担当。
山城を中心に全国の城をひたすら歩き続け、急勾配にげんなりしたり、水の手を発見して感動したり。ヤブコギは苦手。これまでに攻略した城は900以上。
著書に『戦う山城50』(イースト・プレス)『おもしろ探訪 日本の城』(扶桑社文庫)、監修書に『『山城』の不思議と謎』『日本の名城データブック200』(以上、実業之日本社)。
『織田信長解体新書』(近江八幡観光物産協会)など、地域密着濃厚型のパンフレット制作を担当することもある。