救出された人が「過食」で死亡?
城内から助け出された人々を気の毒に思ったのか、秀吉軍から食物が与えられましたが、過食したゆえに死亡してしまった人もいるそうです。
現代医学では「リフィーディング症候群」という現象があり、栄養不良の人間が急に食事を行うと、意識障害、心不全のリスクがあるらしく、彼らもそれに陥ってしまったのではないでしょうか。
戦国時代というと、とかく勇猛果敢な場面が注目されがちですが、実際には「末法の世」としかいえない時代だったともいえます。籠城戦の実態を知れば知るほど、城は「兵(つわもの)ども」だけでない、庶民にとっても「夢の跡」であることがよくわかります。もっとも、その夢は「悪夢」でしかなかったのですが。
今泉慎一(いまいずみ・しんいち)
古城探訪家。編集プロダクション・風来堂代表。著書に『戦う山城50』(イースト・プレス)『おもしろ探訪 日本の城』(扶桑社)など。

