物を買わないで済む「住環境」

家賃は水道代込みで月5万3000円。大阪府内の1K・25.92平米、インターネット回線付きの賃貸だ。広さは決して余裕があるわけではないが、「ちょうどいい」とイノリンさんは言う。

25平米の部屋は物が少なくミニマル。色を統一したり背の低い家具で揃えたり、スッキリと見せる工夫をしている
25平米の部屋は物が少なくミニマル。色を統一したり背の低い家具で揃えたり、スッキリと見せる工夫をしている

背の高い家具は置かない。靴も普段履かないものは箱にしまう。物を管理できる量に絞れば、狭さは気にならない。むしろ掃除が楽で、余計なものを買わずに済む。

「1Kだから物が置けない。だから買わない。それでちょうどいいんです」

FIREを維持するうえで、住居費は生活設計の要だ。配当収入の月19万円に対して家賃5万3000円。全体の支出を10万円前後に抑えられるのも、この家賃水準があってこそだ。

不安はないのか…働かない選択の現実

 もちろん、不安がないわけではない。

「インフレが怖いです。家賃も上がりそうだし、金融所得への課税が強化されたら、配当収入にも響いてくる」

年金も期待できない。就職氷河期世代として低賃金が続いた分、受給額は少なくなる見込みだ。

「課税が強化されたら、より高配当な銘柄に入れ替えて対応していくつもりです。万が一それでも足りなくなったら、ウーバーイーツの配達員をしますかね」

高配当すぎる銘柄は減配リスクも伴うゆえに、盤石とは言い切れない。それでも、イノリンさんは心穏やかな様子だった。