解熱鎮痛剤のロキソニンや、花粉症などで使われるアレグラといった身近な薬。街の皆さんもお世話になることの多い薬の価格が、高くなるかもしれない。

「OTC類似薬」一部の湿布なども含める方針

薬局やドラッグストアで手軽に購入できる薬のことを、オーバー・ザ・カウンター(Over The Counter=カウンター越し)という意味の「OTC医薬品」と呼ぶ。

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一方で、医師が処方箋を出し、市販薬と成分や効能が似た処方薬を「OTC類似薬」と呼ぶ。

病院で処方された薬の場合、健康保険により自己負担額が1割から3割で済むことから、政府がおよそ1100品目の見直しを進めていた。

その「OTC類似薬」の対象にロキソニンやアレグラ、皮膚保湿剤のヒルドイドゲルや一部の湿布なども含める方針で検討していることがわかった。

増え続ける医療費を削減するため、自民党と日本維新の会は、社会保険料の負担を減らすために進めてきた。

今回の見直しによって、これまで医師からの処方箋で薬を購入していた人は、負担が増えることになる。

街の人からは「薬局で薬買ったらすぐ1000円〜2000円。(病院だと)何百円ですごくいっぱいお薬をいただける」といった声があがる一方で、「国はなるべく医療費は下げたいだろうから、個人で負担して欲しいだろうとは思う」と話す人もいた。

求められる持続可能な仕組み作り

ロキソニンを薬局などで購入すると、4日分で299円から768円かかる。

この価格は変わならい。

変わるのは、病院で処方されるOTC類似医薬品の場合だ。

薬代の25%は全額患者の負担で、残る75%は通常の保険適用で1~3割の負担になる。
ロキソニンの場合は20円程度値上がりすると見込まれる。

智田裕一・フジテレビ解説副委員長:
市販薬との価格差が多少縮まっても、薬をもらうために医療機関に通う「お薬受診」が大きく減るのか疑問がある一方で、OTC類似薬を使う人の中には、長期にわたって治療が必要な人もいます。
現役世代の負担する保険料が年々重くなる中、持続可能な仕組み作りが求められています。

厚労省は子どもや慢性疾患の患者、低所得者などには配慮措置を講じ、2026年度中に実施する方針だ。
(「イット!」 12月24日放送より)