SNSで注目のあの人の生活は…?「家賃おいくらですか?」の質問から垣間見える彼らの価値観と暮らしの工夫を覗いてみよう。今回は、元サラリーマン投資家のイノリンさん。就職氷河期世代で長年、年収200万円台の生活を送りながらも、2025年、資産が8300万円に到達し退職。これまでの軌跡と質素な暮らしぶりを聞いた。
取材・文=蜂谷智子 写真提供:イノリンさん
イノリン@質素FIRE 無職生活2年目(50歳・大阪府内在住)
仕事:無職(FIRE)
家族構成:独身
家賃:賃貸5万3000円
間取り:1K
敷地面積:25.92平米
支出優先順位:(1)投資 (2)家賃 (3)食費
1日で資産が200万円も増減
取材当日の朝、イノリンさんの資産残高はリアルタイムで動いていた。
「今朝の時点で9800万ぐらいですね。昨日は9600万まで下がったんですが、今日は少し戻して」
1日で資産が200万円も増減する。しかしイノリンさんの声に焦りはなかった。
49歳で食品会社を退職し、資産の運用益だけで生活するFIRE(Financial Independence, Retire Early=経済的自立による早期退職)を実現して2年目。相場の動きが日々の糧に直結するからこそ、逆に1日200万円の変動にいちいち心を乱していては、身が持たないのだろう。
年収200万円台からのスタート
現在のイノリンさんの資産状況は以下のとおり。
総資産:約9800万円(取材時点)
配当収入:月約19万円(年間約230万円・税引き後)
毎月の生活費:約10万円前後
「生活費には株の配当金をあてています。インデックスも少しやっていますが、収入の見込みはやはり高配当株が中心で、配当金は年間で230万円ほどと、生活費を賄えるぐらいはある。だから資産には手をつけずに済んでいます」
今はやりのS&P500やオルカンといったインデックス投資は、運用益を再投資して資産を増やしていくスタイルなのに対して、高配当株投資は、保有していると定期的に「配当金」が振り込まれる。
イノリンさんは216銘柄ほどの高配当株を保有している。分散投資をするようになったのは、過去の手痛い失敗の教訓だ。
