愛媛県でも2018年に発生した西日本豪雨の洪水被害を巡り、ダムの放流操作や避難情報の伝え方に問題があったなどとして、遺族ら31人が国などに5億3800万円の損害賠償を求めている裁判で、松山地裁は18日、原告の訴えを棄却しました。今回の争点を解説します。

争点は大きく分けると3つです。1つ目が野村ダムと鹿野川ダムの『操作規則』の変更。2つ目がダムの放流の操作。3つ目が西予市と大洲市の避難情報の伝え方です。この3つについて国と市に過失があったかどうか問われました。

このうち2つのダムの『操作規則』は、2つのダムの放流のタイミングや量を決めるもので、国が1996年に変更しました。原告側は“新しい規則”が西日本豪雨のような大規模な洪水には対応しきれておらず、緊急放流につながる危険なものだったと訴えました。

この一方で国は“新しい規則”は、肱川流域の過去の水害などを踏まえたもので、河川管理に一般的に求められる安全性は備えていたとしました。

松山地裁は操作方法は複数の案を比較した上で選ばれていたとして、国の主張を認めました。

2つ目の「ダムの放流の操作」を巡っては、原告はダムの責任者が事前に放流すべきだったのにしなかったのは職務上の義務違反だと主張。国は、ダムの責任者には操作規則を外れて放流する権限はなく、「定められた規則に沿って適切に操作した」と主張。この点も国の主張が認められた形となりました。

3つ目の「西予市と大洲市の避難情報の伝え方」では、原告は西予市の呼びかけでは差し迫った危険が十分に伝わっておらず、大洲市の避難指示も遅れたことで、逃げ遅れや被害の拡大につながったと主張。市はいずれも「過失はない」と主張していて、裁判所は市の主張を認めましたが、放流情報の伝え方や避難指示の出し方にはあとから見れば改善の余地があったとも指摘しました。

松山地裁は原告の訴えをいずれも棄却。原告は控訴する意向で、高松高裁で審理が続けられる見込みです。

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テレビ愛媛
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