国内最大級のスカウトグループで、「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」にあたるとされる「ナチュラル」が使っているとされる極秘アプリが、GPSなどでメンバーの位置情報を監視する目的で使用されており、民間企業が提供する機能が無断で使われている可能性があることが専門家の解析などで分かった。脱退しようとするメンバーとの間でトラブルが相次いでおり、“闇アプリ”を活用した反社会的組織による「鉄の統制」の実態が浮き彫りとなった。
独自の“闇アプリ”開発に数千万円か
2025年11月、警視庁の現役警部補が逮捕・起訴された。「ナチュラル」に捜査情報を漏らした罪に問われている。
FNNは去年、ナチュラルの極秘アプリをテレビで初めて撮影した。
一見するとごく普通のニュースアプリだが、右下の+マークをタップすると、表示されたのは電卓画面。

一定の操作をすると、画面にスカウトの求人情報が表れる。さらに、逮捕を免れるための対応マニュアルなどが次々に表示される。
中には、警察の捜査情報の漏えいを疑わせる投稿も…。
「千葉の4~5店舗に7月13日、14日どちらかでガサが入るとのリーク情報が入りました」
この投稿から数日後、警視庁から情報提供を受けた千葉県警が、実際に風俗店4店に家宅捜索に入っていたことが分かっている。グループ内部に捜査情報が寄せられることは珍しくないという。

現役のナチュラルメンバー:
捕まらないようにする対策の方法だったり、もし逮捕されてしまった時適切な対応ができるように、と共有しています。

このアプリはナチュラルが独自で作り、開発に数千万円が投じられたともいわれているが、詳しい運用の実態はメンバーにも共有されていないという。
勤怠管理から「不明者報告」まで…
私たちはサイバー犯罪対策の専門家、ホワイトハッカーに依頼し、アプリのデータを抽出して「plist」(ピーリスト)と呼ばれるファイルを解析した。

1800以上におよぶ文字列に、アプリで使われるとみられる用語が並んでいる。「plist」とは、アプリが作動する際に使用する設定や表示する文字などをリスト化したデータファイルのことで、アプリがどのような機能を持つかを推測することができる。

消息をつかめなくなった人の「不明者報告」や、出退勤登録、給与明細、通話機能、組織内での疑問に答えるQ&A掲示板など、様々な機能が備わっている可能性が確認できた。
さらに解析を進めると、アプリ制作に関与した可能性がある会社として、バルト海に面する国・エストニアに本社を置く企業が浮かび上がった。現地の信用調査会社に問い合わせると、本社の所在地は他にも複数の企業が登記されており、いわゆるペーパーカンパニーの可能性が高いとみられる。

さらに、この会社の創設者の名前を調べたところ、先月逮捕されたナチュラルの会長の関係者と、同姓同名だと分かった。この人物は過去に“ナチュラルの幹部”だったと警察はみていて、この会社がナチュラルと関連があることがうかがえる。

専門家はアプリについて「数十人体制でフルタイムで行って、最低でも6ヶ月、費用としては数千万円かかる」と分析する。
