佐賀駐屯地に陸上自衛隊オスプレイが配備されてから半年が経った。自衛隊のトップを務めた元統合幕僚長は「これから厳しい安全保障環境で焦点になるのは南西諸島。佐賀駐屯地はその中心的部隊」との認識を示した。

アメリカ軍施設での訓練にも参加へ

去年(2025年)7月の佐賀駐屯地開設から順次配備されてきた陸上自衛隊のオスプレイ。

この記事の画像(14枚)

当初の予定通り去年8月12日に17機全ての機体が千葉・木更津から佐賀駐屯地に移駐された。

飛行訓練も日々行われ、夜間の訓練も現在、九州各地の合計14の施設まで拡大。今年(2026年)2月11日から始まった日米共同訓練「アイアン・フィスト26」にも参加する予定だ。

佐賀駐屯地に配備後、初めて沖縄県内にあるアメリカ軍施設での訓練に参加することになる。

南西諸島 佐賀駐屯地は中心的部隊

佐賀駐屯地にオスプレイを配備する狙いはどこにあるのか。
かつて、自衛隊のトップを務めた人物に話をきくことができた。

その人物とは自衛隊歴46年、2019年までの4年半にわたり自衛隊の統合幕僚長を務めた河野克俊さん。
河野さんは、佐賀駐屯地へのオスプレイ配備の背景には厳しい安全保障環境があると話す。

元統合幕僚長 河野克俊さん:
これから厳しい安全保障環境、焦点になるのが南西諸島になってきますから、佐賀駐屯地はそのための中心的部隊という認識を持っている

また河野さんは佐賀駐屯地へのオスプレイ配備の意義について次のように説明する。

相浦駐屯地の「水陸機動団」と訓練

河野さんが強調するのは、長崎県の相浦駐屯地に設けられた水陸機動団とオスプレイの連携の必要性だ。

元統合幕僚長 河野克俊さん:
長崎県の相浦に水陸機動団、自衛隊版の海兵隊という専門部隊を作った。その部隊を有効に活用するため、機動力を発揮して必要なところに即展開させるためには、ビークルが必要。それに最適なのがオスプレイ。佐賀と長崎県の相浦は非常に近いので、場所的には理想的な配置になった

オスプレイは去年10月、相浦駐屯地の水陸機動団と離島奪還などを想定した本格的な訓練を行った。

中国を念頭に自衛隊の「南西シフト」

九州の防衛力強化の背景にあるのが中国を念頭に置いた自衛隊の「南西シフト」だという。

元統合幕僚長 河野克俊さん:
何かあった時、もし、島しょが取られそうになった時には、早い段階でそうさせない。あるいは逆に言えばそういう力を持っていることを示すことによって抑止することができるという位置づけ

防衛省は今年度末をめどに長崎県の佐世保基地に機雷戦部隊を設置する方針だ。相浦駐屯地の水陸機動団との連携が狙いとされている。

元統合幕僚長 河野克俊さん:
陸上の水陸機動団は相浦、佐世保には機雷戦部隊、水陸機動団を展開するために必要なオスプレイの部隊は佐賀と、一連を近距離に配置することによって効率的で意思疎通も非常に緊密にできる。そういったことで佐世保に配列することになったと思う

佐賀駐屯地に陸上自衛隊のオスプレイ17機すべての配備が完了して半年が経った。防衛体制が変わる中、河野さんは防衛問題を他人事と思わず、関心を持ってほしいという。

元統合幕僚長 河野克俊さん:
防衛問題はある意味、常識論。常識を持って議論に加わっていただければ全然特異な世界じゃない。常識論でもって防衛問題の議論に参加していただければと思う

サガテレビ
サガテレビ

佐賀の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。