日本海側を中心に、1月末から続いている記録的な大雪。降り止まない雪に、各地で住民たちが除雪作業に追われていました。

除雪作業を行う 多田朋孔さん:
仕事で除雪車に乗って道路の除雪を行っているんですよ。今年はずっと降り続けているから、除雪車に乗った日に屋根の雪下ろしもしないといけないという、めちゃめちゃハードな状態でしたね。

除雪の際に気をつけなければいけないのが、「落雪」による事故です。
2月6日に新潟・十日町市で撮影された映像には、除雪中の危険な落雪の瞬間が映っていました。
除雪作業を行っていた人物の前に少しだけ落ちてきた雪。「うぉ!」と悲鳴を上げて後ろに倒れ込んだ男性は、すぐさまその場から離れます。
その15秒後、先ほど男性が雪かきをしていた場所に、「ゴォ」と大きな音を立てて、屋根全体の雪が滑り落ちてきました。

1m近く降り積もった分厚い雪の塊。もし男性がそのまま同じ場所で雪かきを続けていたら、下敷きになっていた可能性も…。

魚沼市では、除雪作業をしていたとみられる78歳の女性が雪の中から見つかり、死亡が確認されるなど、雪国に暮らす人々の命をも脅かす“重い雪”。
事態を重く見た新潟県は、9日に自衛隊に魚沼市への災害派遣を要請しました。
コメ作りにも影響 いまだ復旧のめどたたず
さらに、落雪は人的被害だけにとどまらず、新潟の“命”であるコメ作りにも大きな打撃を与えていました。

新潟・魚沼市でコメの生産・販売を行っている株式会社「入広瀬」の佐藤さん。見せてくれたのは、コメの脱穀や袋詰めなどの作業を行ったり、コメを保管している建物です。

株式会社「入広瀬」代表取締役 佐藤 貞さん:
こちらがうちの農作業の作業所です。全体的にこう…左に傾いているのがわかると思います。
見ると、建物の外壁にはヒビが入り、全体が左に傾いてドアが閉まらなくなっています。

佐藤さんによると、2月2日の夜に屋根に降り積もった大量の雪が落下。その重さと衝撃で、建物が傾き危険な状態になってしまったといいます。

株式会社「入広瀬」代表取締役 佐藤 貞さん:
1月20日からの“居座り寒波”。その長さと気温の低さで凍りついちゃって(屋根上の)雪が落ちなくなっちゃって。もうおそらく2m以上たまっていたと思います。それが一気に落ちてしまったので。
落雪後、佐藤さんが状態を確かめるために撮影した建物内部の映像を見ると、壁面の柱が雪の重みで折れ曲がり、雪が建物内に入ってきているのが分かります。

建物に保管していた約150俵のコメは、手作業で別の場所で移動させ、農家仲間の保管所に置かせてもらったり、契約先のお米屋さんに前倒しで引き取ってもらっているといいますが、コメ作りに必要な機械はまだ運び出せていません。

落雪から8日経過した2月11日、安全を確認した上で『サン!シャイン』取材班は中の様子を見せてもらうことに。

まず目に入ってきたのは、大きくゆがんだ扉。
前回、佐藤さんが確認した際は、握りこぶしと指が一本入るほどの隙間だったのが、さらに傾きがひどくなっているのか、隙間は狭まり指が入らなくなっていました。

徐々にひどくなる傾き、倒壊の危険もあるため、慎重に建物の中に入ると、所狭しと並べられた機械が。

株式会社「入広瀬」代表取締役 佐藤 貞さん:
乾燥機から、調製、計量、選別、袋詰めまで、一式のラインですね。これ(機械)も出したいんですけど、出して持っていく場所が今のところ見つかってないので、ちょっと保留です。この計量機もこの秋というか、去年の秋入れたばっかり…。

移動場所が見つからず、今も残されたコメ作りに必要な機械たち。
傾いた建物は危険なため、解体予定ですが、そのめども現状立っていないといいます。

株式会社「入広瀬」代表取締役 佐藤 貞さん:
この地域でコメ作りするには、雪がないと春からの水もないわけだから、雪ってのは資源だし大事な恵みで。ただやっぱり相手は自然なので。常に恵みばかりじゃないっていうのは、今回の雪害で学んだことですね。

――今後、引き続きコメ作りを続けたいという思いはありますか?
うーん…まあ、これを見た日はもう無理かなっていうのも正直思ったんだけども、やっぱ、応援してくれる人いっぱいいたし…、「頑張ろうぜ」って声かけてくれる人もいっぱいいたし…。
まずは、春作業に取り掛かれるように検討していきたいなと思います。
「全層雪崩」の危険も…暖かくなる週末は注意
今後の雪はどうなっていくのでしょうか。
天達武史気象防災キャスターによると、現在(12日 朝8時時点)、北海道や宮城、秋田以外にも、北陸から中国地方にかけて広い範囲で「なだれ注意報」が発表されています。
(※放送直後の12日午前10時過ぎに新潟県にもなだれ注意報発表)

天達気象防災キャスター:
普段、雪の降るところも平年の2倍とか、一気に降り積もっているということで、非常に危険な状態になっています。特に山道での運転、いきなり雪が崩れてくる可能性もあります。特に木が生えていないような場所は、危ないですので気をつけてください。
それから、軒先からは離れてください。屋根から5m以上離れた場所にも雪が飛んでくる可能性があるので、特に頭上には注意してお過ごしください。
天達気象防災キャスター:
雨で雪の危険度がさらに増しているというのが現状で、建物の倒壊に注意が必要です。
新雪の時は、雪はそんなに重くないですが、どんどん雨が降ると底に水がたまって凍っていくんです。重量が1mの積雪で500kgになって、氷が上に乗っているという、そんなイメージです。
以前は、(積雪全体が崩れる)「全層雪崩」は3月から4月くらいに起きていたのですが、雨が降ったり気温が上がったりしていますので、もう「全層」積もった分全てが落ちてきてしまう。スピードも自動車と同じくらいのスピードで落ちてきますから、少しでも異変を感じたら離れてください。

天達気象防災キャスター:
なだれ注意報の発表基準は、地域によって異なりますが、とにかく大幅に気温があがってくる、雪が動く。
例えば、新潟・上越市の場合、積雪50cm以上で最高気温8℃以上、もしくは日降水量20mm以上。(新潟は)週末は8℃どころか10℃を超えてきますので、十分に注意が必要になってきそうです。

天達気象防災キャスター:
今後も本当に大変な状況が続くと思いますが、できるだけ雪が少しゆるんだところで雪下ろしなど、周りと協力をしていただきたいです。
雪かきをする際に、下にクッションになるように最初に雪を少し下ろしておくか、でいれば2~3人くらいで声をかけあって雪下ろしを行ってください。
(「サン!シャイン」 2月12日放送)
