妙齢の男女が2人きりでホテルにこもる…。それでも「男女関係はなかった」と主張し続け、職を辞した首長が話題になった中で、「2人きりでホテル」に滞在した男女に不貞行為があったのかが争われた裁判があった。
「今夜は会える?」「お泊りはできる?」「うんできるよ〜」
それぞれ夫と妻がいる既婚同士の男女は、ホテルでの密会がバレるも「部屋で瞑想していただけ」などとし、性交渉は無かったと主張した。しかし裁判所は、「性交渉を推認できる」と認定し、妻に“浮気”された夫に対して慰謝料の支払いを男女に命じた。判決に至った経緯とは。

男女が複数回の密会…

裁判の原告は、1979年生まれの男性。2009年に妻・さくら(仮名)と結婚し、2010年に長女、2013年に二女をもうけた。

夫婦は2023年11月まで、東京都内の自宅で同居していて、妻はピラティススタジオを営んでいた。

裁判の被告は、さくらとその密会相手の男性・高橋(仮名)の2人。高橋は地方に住む既婚者で、子供もおり、音楽関係の仕事をしていた。

さくらと高橋は2022年11月頃に知り合い、イベントを共催したり、会食するなど関係を重ね、2023年5月には2人で歌手のコンサートを鑑賞していた。

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2023年7月、2人は地方都市での会食後、ホテルの同じ部屋に宿泊。翌日、美術館に立ち寄った。

さらに8月には、東京都内のホテルで再び同じ部屋に宿泊した。

宿泊前に交わされたLINEには、
さくら「お泊まりはできる?」
高橋「うんできるよ~」
さくら「しよ(※ハートのビックリマークの絵文字)」
などのやりとりが残されていた。

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宿泊した翌日、さくらは夫の実家に向かい、先に帰省していた家族と合流した。

その夜、夫はさくらのスマホを見て、タクシーで自宅から都内のホテルに移動した記録があることを確認した。

夫が、ホテルを訪れた理由や高橋との関係性をさくらに問いただすと、当初は「泊まっていない」「朝ホテルに行っただけ」と弁解したが、さらに追及されると、「泊まったが何もしていない」などとと述べた。

高橋とのメッセージはスマートフォンから削除された。

その後、夫はSNSで高橋に「さくらがお世話になっているとのことでお話をしたい」との旨メッセージを送信。同じ日、さくらも高橋に連絡をし、「コンサートは3人でみにいきました ホテルはお茶して泊まったけど 何もない と伝えています」などとメッセージを送信している。

夫と高橋は電話で話し、高橋は、さくらが既婚者だとは知らなかった、同じ部屋で泊まったが性的な関係ではないこと、ハグやキスをしたなどと話した。

9月24日に、夫婦は年内別居の合意を記した書面を作成。さくらは11月に自宅を出て、別居した。

そして、夫がさくらと高橋を相手取り、慰謝料などの支払いを求めて東京地裁に提訴したのだ。