いまや生活に欠かせないパソコン。
そのパソコンをスムーズに動かすための一部のパーツが今、高騰しています。
その背景は?
そして影響はいつまで続くのか、取材しました。
福岡市博多区にある家電量販店。
こちらで今、あるものの価格が急激にあがっているといいます。
◆記者リポート
「こちらのメモリというパーツ、ここ3ヵ月で2倍ほど値上がりしているものもあるということです」
メモリとはデータを一時的に保存・処理するためのパーツ。
いわば「作業机」のような役割で、机が狭ければ作業がしにくくなるのと同じように、容量が不足すると動作が遅くなったりフリーズする可能性も出てくるといいます。
店によると、その重要なパーツの値段が去年の年末ごろから急激に上がり始めたといいます。
こちらのメモリの価格は去年11月1日時点では2万1980円。
それが2月3日時点では4万2430円と、わずか3か月で倍近く、2万円以上値上がりしました。
この影響で、大容量のメモリを使用している動画編集や3Dゲームなどができる高性能パソコンも値上がりしているといいます。
◆来店客
「容量の多いものが特に高くなっているみたいで、仕方なく1つ下げたクラスを買ったりはしている」
◆来店客
「ゲーミングパソコンとかも欲しいなと思っていたんですけど、どんどん(値段が)跳ね上がっているので早く買った方がいいのかなと思いつつ、今は手が出せない、なかなか苦しい」
客が購入を躊躇するほどの急激な価格高騰。
その要因は、需要に供給が追いついていないことにあるようです。
◆ヨドバシカメラマルチメディア博多 大山力輝さん
「AIの発展によってデータセンターが主に高速かつ大容量のメモリだったりストレージを必要としているので、法人向けの需要をメーカーが優先した結果、総体的に一般販売向けのパーツに影響が出ている」
背景にあるのは生成AIの急速な普及です。
AIが学習すればするほど多くのメモリが必要になるため、サーバーやネットワーク機器を管理する世界のデータセンターのメモリの需要が爆発的に高まっています。
それにともない世界のメモリメーカーが生産をAI向けにシフト。
供給が不足し価格が高騰しているというのです。
一方、事務用などの一般的なパソコン。
店では今のところ価格には影響は出ていないと言いますが、今後価格が上がる可能性はないのでしょうか?
◆MM総研 中村成希 取締役研究部長
「4月以降、少しずつ値上がりの実感というのが出て来るかなと思う。例えばパソコンやスマートフォンに関して言うと、15%から20%ぐらいの値上げは覚悟しておかないといけない」
今後、私たちの生活にも影響が出るかもしれないメモリの供給不足。
増産はできないのでしょうか?
◆MM総研 中村成希 取締役研究部長
「これまでの経験則でいうと、メモリメーカーの増産をかけて、パソコンや一般の民生品にも潤沢に製品を出せるようになるまで2年から3年ぐらいの設備の準備生産の準備が必要になるので、しばらくこの状態が続く」
専門家によりますと、スマートフォンは秋以降、新製品が出てくるタイミングで15%から20%程度値上げの可能性があります。
さらに、メモリが使われているゲーム機については、新商品が多く出るクリスマス商戦のタイミングで値段が上がる可能性があり、さらに私たちが画像やデータの保存などに利用しているクラウドサービスも利用代金が値上げされる可能性があるということです。