福岡県粕屋町で高校生2人が飲酒運転の車にはねられて亡くなった事故から15年となりました。
今も後を絶たない飲酒運転をゼロにするにはどうすればいいのか、遺族や警察は模索を続けています。
「こんばんは警察本部です、飲酒検問をしています」「ふーっと息を吹きかけてもらっていいですか」
9日夜、県内で一斉に行われた特別取り締まり。
警察官約550人が繁華街周辺や主要な幹線道路などで飲酒検問を実施し、一晩で9人が摘発されました。
毎年、この時期に行われている特別取り締まり。
そのきっかけとなったのが15年前に福岡県粕屋町で起きた、当時高校1年生の山本寛大さんなど2人が飲酒運転の車にはねられ亡くなった事故です。
当時、寛大さんの母・山本美也子さんは電話で即死の連絡を受けました。
事故後の取材に山本さんは…。
◆山本美也子さん(当時42)(2011年2月取材)
「楽しいこともたくさんしたかったでしょうからね。もう一番寛大が悔しいと思います。けど、寛大の死を私たち家族は無駄にしない」
事故から約1ヵ月後には…。
◆山本美也子さん(2011年3月取材)
「飲酒運転だけは大人さえ気をつけていればゼロになると思うんですよね。なのでゼロになるまで」
息子に誓った「飲酒運転ゼロ」の社会。
事故から約1カ月半後には飲酒運転撲滅を訴える講演を始めました。
これまでに行った講演の数は1600回以上。
事故から15年となった9日も山本さんは壇上に立ちました。
◆山本美也子さん
「福岡から飲酒運転ゼロを発信する。ゼロになるまで、どうぞよろしくお願いします」
しかし、いまだにゼロにならない現実。
県内では去年、飲酒運転による事故が96件発生し、3人が死亡しています。
◆山本美也子さん
「『飲酒運転はいかんよね』と声を上げる人は増えていて、15年間で進化はしていっていると思います。遺族は年をとって活動ができなくなるときもくる。続けていく難しさにも直面すると思うが頑張りたい」
一方、警察も飲酒運転の撲滅に向けた機運を高めるため地道な活動を続けています。
<通報訓練の様子>
◆客役
「ごちそうさん。うまかった~」
◆従業員役
「鍵をお持ちですけど、本日車でお帰りではないですよね?」
飲酒運転の通報訓練です。
福岡県では6年前飲酒運転を目撃した際の「通報義務」が条例で定められました。
県警によると去年、飲酒運転に関する通報は約2500件寄せられ、そのうち1割近くが摘発につながりました。
しかし、県警が去年公表したアンケート結果では飲酒運転の通報義務について半数ほどが「知らない」と答え、認知度をいかに高めるかが課題となっています。
◆粕屋警察署 交通第一課 松下隆 課長
「飲酒運転が疑われる状況を目撃した際には、躊躇なく110番していただきたい」
15年前、高校生の命を奪った飲酒運転。
事故を風化させないため遺族や警察の模索が続いています。