頻発する豪雨被害 「水災」リスクは火災保険で備えを

カテゴリ:暮らし

  • 西日本を中心とした豪雨では、住宅被害も記録的なものに
  • 「水災」は「火災保険」でカバー、多くは「床上浸水」「30%以上の損害」などが条件 
  • ハザードマップで水災リスクをチェック、危険度に見合う補償の選択を

相次ぐ豪雨 家屋の被害も甚大なものに

西日本を中心とした記録的な豪雨では、数多くの犠牲者が出ている一方で、建物にも甚大な被害がもたらされた。
総務省消防庁の発表では、今月15日午前4時45分現在、全半壊の住宅は586棟、床上浸水は9885棟、床下浸水は1万6944棟に及んでいる。

2015年の関東・東北豪雨、2017年に九州北部を襲った豪雨、と水害が続いているが、今回の家屋の被害総数は、それらを上回る勢いとなっている。

「水災」には「火災保険」 公的支援だけで生活再建は厳しい

集中豪雨や洪水のほか、雨による土砂崩れなどで、住宅や家財が被害を受ける「水災」には、「火災保険」や「共済」による補償で備えることができる。

自然災害での被災者生活再建支援制度では、住宅が全壊し、建て直した場合でも、支給額はあわせて最大300万円で、都道府県で独自の制度を設けているところもあるとはいえ、公的な給付だけでは、生活再建は厳しい。
円滑な生活の立て直しには、自助努力での備えを合わせる必要があるが、内閣府の試算では、火災保険や共済での「水災補償」の加入割合は、2015年末時点で66%にとどまっている。

いまの契約で水災が補償されているのか、十分なのか、住んでいる地域の水災リスクを踏まえ、加入内容を改めて確認しておくことが大切だ。

地域の水災リスクはハザードマップでチェック

住まいの立地条件で、水災に遭うリスクがどのくらいあるのかは、ハザードマップなどでチェックすることが可能だ。
国土交通省のハザードマップポータルサイトは、それぞれの地域の地図に、洪水や土砂災害などのリスク情報を重ねて表示できる。
国管理の河川の洪水浸水想定区域なども簡単にみられ、自治体が作成したハザードマップにもリンクしているすぐれものだ。

こうした情報をもとに、近くの河川・山からの距離や高低差、自宅建物の構造などから、遭遇するリスクを把握したら、現在の補償の中身を確認し、必要に応じ見直しを行いたい。

保険金支払いは、多くで「床上浸水」「30%以上の損害」などが条件

大手損保が販売している火災保険での水災補償は、あらかじめ決めておいた自己負担額があればその額を差し引いて、損害保険金が支払われるというのが一般的だ。
その多くが、「床上浸水」か「地盤面から45cmを超える浸水」、または「価格の30%以上の損害」を条件としている。つまり、「床下浸水」で、「損害が30%未満」だと、支払い要件を満たさなくなる場合があり、注意が必要だ。

水災補償を縮小できるタイプも

一方で、水災補償を縮小できるタイプも登場している。
支払われる保険金の上限を損害額の70%に設定したり、床上浸水で損害が30%に達しなかったときは、保険金額の10%以下しか支払われないようにするなど、補償範囲を抑制するもので、
なかには、水災の補償をすべて外した商品プランもある。
地域により水災リスクが異なるなか選択の余地が広げられたもので、補償を小さくすれば保険料は安くなることが多いが、都市部でも、ゲリラ豪雨で排水などが突然あふれる現象が頻発しているおり、水災補償を狭めておいても本当に大丈夫なのかは熟慮が必要だ。

また、これまでの保険をいったん解約し、契約し直す場合は、水災以外の補償内容が変わってしまう可能性に留意したい。
ちなみに、地震が原因の津波による浸水被害は、「火災保険」の水災補償の対象ではなく、「地震保険」にセットで加入しておかなくてはならない。

増大する水災リスク 必要な補償の選択を

住まいを取り巻く自然環境を把握し、支払う保険料とのバランスを考えつつ、最適の補償を選択して、将来のリスクに備えるー
大雨が頻発するなか、増大する水災の危険に早めに対処する姿勢が重要だ。

(執筆:フジテレビ 智田裕一 解説委員)

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