高市首相が衆院解散の検討に入ったとの一部報道を受け、日経平均先物が急騰する一方、円相場では円が急落した。3連休明けの東京市場は、大幅株高と円安が進むとの観測が強まっている。
日経平均先物が急上昇
大阪取引所で日経平均先物の値上がりが加速したのは、9日夜11時過ぎだ。5万2000円台前半から、10分ほどの間に5万3000円台へと上昇した。その後、9日の清算値と比べ1780円高い5万3860円をつけ、10日朝には5万3590円で取引を終えた。
高市政権の「積極財政」を通じた成長戦略を軸とする経済政策への期待が株価を押し上げる「高市トレード」再開の思惑が広がっている。
円は約1年ぶりの水準に急落
一方、円は急落した。ニューヨーク市場の円相場は、日本時間9日午後11時ごろには1ドル=157円台半ばで取引されていたが、急速に値下がりして10日午前0時前に158円を突破し、その後、一時158円20銭近辺と約1年ぶりの円安水準をつけた。
この日、市場関係者の視線を集めていたのは、アメリカの12月の雇用統計だった。日本時間9日午後10時半に公表された統計では、非農業部門の就業者数が前月から5万人増え、市場予想の5~7万人と比べると弱い内容だった一方、失業率は4.4%と市場予測を下回った。
労働市場が大きく悪化していないとの受け止めが広がるなか、衆院解散をめぐる一部報道を受け、積極財政のさらなる打ち出しを通じた財政悪化リスクが意識され、円売りが一気に強まった。トランプ政権の関税措置の合憲性をめぐる連邦最高裁の判決が見送られたことも、円安の流れを支えた。
早期の衆院解散観測は債券先物市場でも売り圧力となり、中心期月の3月物は一時70銭を超えて値下がりした。長期金利の指標である新発10年債の利回りは、6日に一時2.13%と26年11カ月ぶりの高水準をつけているが、債券安が一段と進む可能性がある。
景気下支え期待と財政リスク
年明けの日経平均株価は大きく値上がりして始まったが、連休明けは「高市トレード」が一段と相場を押し上げるとの観測が強まっている。先週末のニューヨーク市場は、ダウ平均が最高値を更新していて、アメリカ株高の流れから日本株にも買いが入りやすい側面もある。
先週は、中国政府による対日輸出規制強化がレアアースを含む可能性が意識され下落する場面も見られたが、今週は上昇に弾みがつき、6日に記録した最高値5万2518円を上回るとの見方も出ている。
1ドル=158円台をつけた円相場は、円売り基調が続きそうだが、160円の水準に近づいてきたことで、為替介入への警戒度が強まる局面になってきた。
「積極財政」の推進を材料視した「高市トレード」の再加速により、株高・円安・債券安が弾みをつける展開になるのか。3連休明けの東京市場の動向に大きな関心が寄せられている。
(フジテレビ解説副委員長 智田裕一)
