徹底駆除のやり方

これらの4種類のコバエは、どれも市販されている「ハエ・蚊用の殺虫スプレー」を吹きかければ簡単に駆除できます。しかし、目の前を飛んでいるコバエだけを駆除しても、発生原因となっている原因物を取り除かない限り、すぐにまたコバエは再発生し、部屋の中を飛びはじめます。

こうした事態を避けるためには、まずは家の中に発生しているコバエをじっくり観察して、飛んでいるのが4種類のどの虫なのかを特定する必要があります。それが分かれば、おのずと発生源の場所や、取りのぞくべき原因物がなんなのかの予想がつくはずです。

たとえば発生したのがチョウバエなら、排水口の中の配管内や流し台のオーバーフロー穴の中が汚れていることが予想されます。

ショウジョウバエやノミバエが見つかった場合は、家のどこかに腐った野菜や残飯が放置されたままになっているはずです。またクロバネキノコバエが見つかった場合は、部屋の中に置かれた観葉植物の植木鉢が発生源としてうたがわれます。

生ゴミはショウジョウバエやノミバエの発生源に(画像はイメージ)
生ゴミはショウジョウバエやノミバエの発生源に(画像はイメージ)

そうやって発生源を見付けたら、念入りに掃除をして、生ゴミや排水口に溜まった汚れなどの原因物をすべて取りのぞきます。植木鉢が発生源の場合は、室内から外に出してください。そして殺虫スプレーや燻煙殺虫剤を使って、家の中にまだ潜んでいるコバエたちを退治します。それでコバエの駆除はすべて完了です。意外に簡単ですよね。

しかし、部屋の中のコバエを一度完全に駆除したとしても安心はできません。ちょっと油断して飲み残しや食べ残しをテーブルの上に置いておいただけでも、コバエは匂いにつられて外から家の中に侵入してきます。後編ではコバエの部屋への侵入を防ぐための方法についてお話しているので、そちらもぜひ読んでみてください。

後編はこちら→「うっとうしいコバエを部屋に入れない・増やさない!市販の殺虫剤やトラップの特徴と使い方のコツをプロが解説

足立雅也(あだち・まさや)
害虫駆除や鳥獣対策を手掛ける「808シティ」代表取締役社長。

構成=中村宏覚

足立雅也
足立雅也

害虫駆除や鳥獣対策を手掛ける「808シティ」代表取締役社長。大手害虫駆除専門チェーン店勤務中に全国コンクールで優勝。その後、業務用殺虫剤、噴霧器を販売する商社に転職。蚊やマダニに対する殺虫剤効力評価試験に協力する。宿泊関連業界、殺虫剤メーカーと協力し、トコジラミ駆除方法を研究し、講演や執筆にて全国に広める。独立後、自ら現場作業をする傍ら、数社の技術指導を行う。