「子育て世帯に冷たいのでは…」と指摘されてきた広島市が、重い腰を上げようとしている。
2月6日に発表された2026年度当初予算案は、一般会計で約7940億円。子育て支援を重点の1つに据え、医療費補助の拡大、小学生の給食費の来年度の“保護者負担ゼロ”などを前面に押し出す内容だ。

「子育て支援」予算案の重点の1つに

広島市の松井一実市長は6日の会見で、「こども・若者・子育てに優しいまち“ひろしま”」の実現を強調した。すべてのこどもや若者が等しく健やかに成長し、保護者も子育ての喜びを実感できる社会を目指すと語る。
2026年度当初予算案は、一般会計で約7940億1130万円。2025年度を約711億6000万円上回り、3年連続で過去最大規模となった。

広島市・松井一実市長
広島市・松井一実市長
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松井市長が繰り返し口にしたのは「こども」「子育て」という言葉。新年度予算案は、こども・若者や子育て支援を重要課題の1つにあげ、子育て世帯に優しいまちづくりを加速させている。

2027年1月から医療費補助を拡大

特に注目される施策が、こども医療費補助の拡大だ。約34億8300万円を予算に計上し、制度を見直す。2027年1月から、保護者の所得制限を撤廃。対象年齢も現在の中学3年生までを、“高校の年代”まで広げる。

もり小児科・森美喜夫 院長
もり小児科・森美喜夫 院長

広島市南区の小児科医は、現場の実感をこう語る。
「引っ越してきた人から『なんて広島市はこどもに冷たいの』『子育て世帯に支援がない』と診察中に言われる方もたくさんおられる。小さいこどもは免疫がなく、何度も医療機関を受診する。お金も時間も親の労力もかかるからこそ、社会として応援する必要があると思います」
県小児科医会が長年、制度の見直しや補助の拡充を求めてきた経緯もあり、今回の予算案は前進と受け止められている。

小学生の給食費、保護者負担ゼロへ

国による「学校給食費の抜本的な負担軽減」を踏まえ、小学校の給食費も2026年度は変わる。

 
 

1人1食360円の給食費のうち、300円を国が負担し、残る60円分についても広島市が臨時交付金を活用。総額で約54億2700万円を投じ、2026年度の保護者負担は「実質ゼロ」になる見込みだ。

放課後児童クラブの利用料も見直される。
これまで最大で月5000円だった料金を、2027年1月から一律3000円に引き下げる(無償対象世帯を除く)。2人目は半額、3人目以降は無償とし、多子世帯の負担を軽減。児童館や放課後児童クラブ関連の環境整備に約20億7400万円を盛り込んだ。
さらに、屋内遊び場の整備や中高生の居場所づくり、SNSを活用した24時間相談窓口の設置など、家庭や地域社会における子育て環境づくりにも約3億2700万円の予算を充てる。

松井市長「決意表明と受け止めて」

松井市長は「市としてできる限りのことをやっていくという決意表明と受け止めていただきたい。ゆっくりだけど確実に、子育てにやさしいまちを目指す」と語った。子育て支援は、住む場所を選ぶ大きな判断材料でもある。「人口流出対策」として評価する声も上がっている。

若い世代が将来に希望を持てる街になれるのか。
過去最大規模となる広島市の新年度予算案は、2月13日に開会する市議会で審議される。

(テレビ新広島)

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