「私としては悔しい、の一つですね」

自民党から公認が得られず、衆議院選挙・福井2区から無所属での出馬を表明した翌日、一転して出馬辞退を表明した山本建氏。無念さをにじませながら語った背景には、自民党本部からの強い働きかけと、自身の政治家としての深い葛藤があった。

「世間の目はそうではなかった」

福井県議会議員2期目の山本氏。山本氏の地盤、鯖江市を含む福井2区は、前回衆院選で裏金問題により連続8期当選のベテラン高木毅氏が落選し、自民党議席が空白となっていた。

県連関係者と握手を交わす山本氏
県連関係者と握手を交わす山本氏
この記事の画像(5枚)

山本氏は「自民党の議席を再度取り戻し、国とのパイプ役を担いたい」と立候補の意向を示し、県連が党本部に公認を上申していた。しかし党の公認からは外れ、23日夕方に会見を開き、無所属で出馬することを表明していた。

自民党が支持を決めた斉木氏
自民党が支持を決めた斉木氏

党本部はというと、福井2区については、維新の会を除名され無所属で自民党会派入りした現職の斉木武志氏を「支持」すると決定していた。

当初、山本氏は自民党の公認が見送られ、党本部が他候補を支持する以上、無所属で立候補することにより「身内びいき」や「政治の私物化」といった批判は払拭されると考えていた。

「無所属で望むことはそういう懸念を払拭されてるだろうと私なりには思っていました」(山本氏)

「党全体への影響をよく考えてほしい」

状況が大きく動いたのは、山本氏が無所属で出馬すると表明した23日夜。自民党の古屋選対委員長、そして鈴木幹事長から相次いで山本氏の元に直接、電話が入った。

「出るなとはっきり言われたわけではございません」

しかし、党幹部らの言葉は重いものだった。「(山本氏が)出ることによる影響をよく考えてほしい。高市総理の義理の息子で、無所属であっても出馬が自民党全体に与える影響がある」と伝えられたという。

他の候補者や党員たちの「足を引っ張る」存在になるのは本望でないとして、苦渋の決断をしたという山本氏。

山本氏を「公認と同等に支援」する方針だった県連

党本部の、山本氏の公認見送り、斉木氏の「支持」という決定に県連は強く反発。「福井2区は山本で」と一つにまとまり「公認と同等の支援をする」ことを表明していた。さらに、多くの各種団体も推薦を決めていた。

「本当に申し訳なく、もう本当に何て言っていいか分からないぐらいですね。もう言葉にできないぐらいは本当に申し訳ない気持ちしか表せられません」

会見中、山本氏は何度も支援者や県連関係者への謝罪の言葉を繰り返した。

山本氏は、残り1年の任期がある県議会議員の職務を全うするとしている。

福井テレビ
福井テレビ

福井の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。