2月8日に投開票が行われた第51回衆院選では、福井県から自民党系の3人が当選を果たした。全国的に『自民党の歴史的大勝』『中道改革連合の歴史的大敗』となったが、福井県選挙区も同じ結果に。高市総理の人気に加え、中道改革連合が浸透しなかったことが、開票結果にも表れた形だ。ただ、結果的には大差で勝利したものの、自民党公認の1区稲田氏、自民党が支持した2区斉木氏ともに、実は不安要素がある中での戦いだった。
大票田の福井市に残っていた知事選の“しこり”
福井1区で8期目の当選を果たした自民党のベテラン稲田朋美氏。しかし今回は、1月に行われた知事選挙をめぐり自民党県連内が“分裂”したことで不安要素を抱えていた。
衆院選のわずか2週間前、1月25日に行われた知事選挙では、福井市議会の保守系会派の市議たちが支援した元外務省職員の石田嵩人知事が初当選した。しかし、稲田氏が支援していたのは、対立候補の前越前市長・山田賢一氏だったのだ。
この“しこり”を福井市議たちが抱える中で衆院選を迎え、福井市議たちからの支援が得られるのか、大票田の福井市の票を固められるのか、という懸念があった。
結果的には、県内の自民党公認候補は稲田氏だけということもあり、福井市議たちの支えもあって、福井市で5万票、有権者の5割近くの票を獲得した。
ある市議は「もし石田さんが知事選で落選していたら、稲田氏への支援はなかった」とも語っている。
自民党本部と県連の対応に“ねじれ”
一方、2区斉木氏の懸念は、自民党内の“ねじれ”だった。
衆院選に出馬するにあたり、斉木氏は自民党福井県連に公認申請願いを出していたが、認められなかった。
それにもかかわらず、自民党本部が斉木氏に「支持」を出した。県連の意向を無視するような対応だ。
当然、県連は反発し、本部が支持しても県連は一切、斉木氏を応援しないという“ねじれ”の構造が生じたのだ。
選挙戦終盤には自民党本部の選挙責任者である古屋圭司選対委員長が直々に斉木氏の応援に駆け付けたが、その演説会にも自民党県連のメンバーは誰一人おらず、会場には空席が目立っていた。
こうした背景がありながらも、結果的に自民党支持層の8割の票が斉木氏を当選に押し上げた。
自民党福井県第2支部は本部に対し、もし斉木氏が当選しても自民党入りを回避するよう要望書を提出していたが、党本部は8日夜、斉木氏に追加公認を出した。党本部と県連は、未だこじれた状態になっているのだ。
県連が自民党入りを認めていない中、斉木氏は今後どのように県連と向き合っていくのか、いきなり大きな課題が待ち受けている。
北陸新幹線の早期延伸「やれるのは私しかいない」
今回、当選を果たした2人には、県政が抱える大きな課題を前に進めるため、それぞれ大きな役割を果たしてもらう必要がある。
稲田氏は、まず北陸新幹線の敦賀ー新大阪間の早期認可着工だ。北陸新幹線与党整備委員会の委員として、そして自民党鉄道調査会の会長として、8つのルート案の再検討が決まった中で、いち早く小浜・京都ルートに決定し早期着工に向けて「やれるのは私しかいない」と選挙戦で繰り返し訴えていただけに、その行方に注目したいところだ。
「原発推進」を訴え立地地域で得票重ねる
全国最多の原発立地地域を抱える福井2区から選出された斉木氏は「原子力政策」の旗振り役が期待されている。
斉木氏は「原発推進」を訴えていて、今回の衆院選でも敦賀、美浜、おおい、高浜
という原発立地地域ではいずれも多くの票が入った。
対立候補の辻氏が「将来的に原発依存を減らす」と掲げていたことを加味すると「原子力政策推進」への期待度の表れともいえる。
原子力政策は国策だ。今後、使用済み核燃料の県外搬出などの課題にどう取り組み、リプレースを含む原子力の活用をどう進めていくのか、注視する必要がある。
いずれにせよ、比例で当選した今氏を含む3人には、国と県をつなぐパイプ役となって福井のために力を注いでもらう必要がある。
