2025年のプロ野球、セ・リーグは阪神が両リーグ史上最速で優勝し、パ・リーグはソフトバンクが2年連続でリーグ制覇した。日本シリーズでは、第5戦の延長11回までもつれた熱戦を制したソフトバンクが5年ぶり12度目の日本一に輝いた。
フジテレビ系列12球団担当記者が、そんな2025年シーズンを独自の目線で球団別に振り返り、来たる2026年シーズンを展望する。

今回は27年ぶりのリーグ優勝、日本一連覇を狙ったDeNA。

守護神不在の開幕戦

2024年シーズン、リーグ3位から悲願の日本一まで上り詰めたDeNA。

三浦大輔監督(52)が指揮を執り5年目、2025年シーズンなんとしても欲しかったのは27年ぶりのリーグ優勝だった。

指揮を執る三浦監督
指揮を執る三浦監督
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そんな中、いきなりのピンチがチームに降りかかる。

2024年の日本シリーズで胴上げ投手となった森原康平(34)が肩を痛め開幕に間に合わないことがわかった。

そんな中の迎えてしまった開幕戦。

5点リード、満員の横浜スタジアムの大歓声を浴びながら9回のマウンドに立ったのはこの男だった。

2020年ドラフト1位・入江大生(27)。

2023年8月以来、実に597日ぶりの一軍のマウンドだった。

先頭バッターに四球を与え出塁を許すものの、続く3番・カリステ、4番・石川、5番・細川のクリーンアップから三者連続空振り三振を奪う見事なピッチング。

リリーフカーでマウンドに向かう入江
リリーフカーでマウンドに向かう入江

その2日後、1点リードで再び9回のマウンドへ。

テンポよく2アウトを奪うも、代打・細川に四球、しかし続く代打・大島には全球直球勝負を挑み空振り三振に仕留め試合を締めた。入団5年目にしてプロ初セーブ。

さらに4月8日の巨人戦からは10試合連続無失点。「新守護神」として着実に歩み始めたように思えた。

試合終了時の入江
試合終了時の入江

しかし、5月に入り1点の重みを痛感する試合が増えてくる。

新潟で行われた阪神戦(13日)、9回2アウトから同点弾を浴びると、21日の中日戦(横浜スタジアム)では2番・田中幹也に決勝弾を浴び負け投手となる。

それでも防御率1点台と奮闘する「新守護神」の活躍に期待がかかっていたが、7月11日の巨人戦(横浜スタジアム)、2球を投じたところで緊急降板。その後、右上腕の神経障害と診断され登録抹消となった。

入江はこの1年をこう振り返った。

【入江2025年成績:50試合 3勝3敗22セーブ 防御率3.15】

入江:
「一軍のマウンドに戻ってきて、あの声援を聞いたときは震えました。夏場以降、神経障害を起こしてからあまりいい結果が出なかった。投げてみないとわからないシーズンだった」

それでも2025年シーズンでチーム最多の22セーブをあげた入江。しかし守護神のポジションにはこだわりは全くないと言う。

入江:
「チームは優勝を目指している。その中でこれをやって欲しいと言われたところに力を入れたい」

FAを行使せず残留を決めた森原康平、シーズン終盤クローザーを務めた伊勢大夢(27)、そして計り知れない重圧と戦い続けた入江。2025年に定まらなかった守護神の座は誰の手に。すでに争いは始まっている。

帰ってきた筒香

2024年4月、5年ぶりにチームに復帰した筒香嘉智(34)。

NPB復帰1年目の2024年シーズンは57試合の出場にとどまり、打率.188、7本塁打。ファンが待ちわびた主砲の姿ではなかった。

そして迎えたNPB復帰2年目。打撃不振で2度の再調整を経験するなど、苦しい日々が続いた。

2度目の登録抹消から1カ月後、8月7日に再昇格を果たした。帰ってきた筒香は私たちが待っていた筒香そのものだった。

14日のヤクルト戦(神宮)では、プロ16年目で初めての代打ホームランを放つと、30日の中日戦(横浜スタジアム)では自身7年ぶりとなる1試合3発のホームラン。

復帰した8月は11試合の出場で8本塁打、打率.355の活躍。

帰ってきた筒香
帰ってきた筒香

シーズンを終えてみればチーム最多となる20本塁打を放っていた。守備ではNPB復帰後初めてサードでスタメン出場。

シーズン終盤、キャプテン・牧秀悟(27)、助っ人・オースティン(34)、チーム最年長頼れるベテラン・宮﨑敏郎(37)をケガで欠く中、復活した筒香がチームにとって最大の補強となった。

【筒香2025年成績:75試合 打率.228 20本塁打(チーム1位) 43打点】

受け継がれる“三浦イズム”

結果としてシーズン2位に終わったDeNA。

【DeNA成績 71勝66敗6分け 勝率.518】

リーグ優勝にすべてをかけ、覚悟を持って1年を戦った三浦監督は2025年限りでの退任を決めた。リーグ優勝こそ逃したものの、球団史上初となる4年連続Aクラス、そして2024年の日本一と多大な功績を残したことは間違いない。

最終戦挨拶する三浦前監督
最終戦挨拶する三浦前監督

シーズン終盤リードオフマンとして輝きを放ったプロ6年目・蝦名達夫(28)が台頭。

蝦名達夫
蝦名達夫

3年目の昨季、元々評価の高かった打撃面だけでなく、トレバー・バウアー(34)、藤浪晋太郎(31)らとバッテリーを組みキャッチャーとして経験を積んだ松尾汐恩(21)ら三浦監督が使い続けた若手も芽を出し始めた。

松尾汐恩
松尾汐恩

誰もが慕う“ハマの番長”が作り上げたチーム。

2026年シーズンからは相川亮二(49)が指揮を執る。

相川新監督:
「武者震いすることはこの年になるとないですが、監督就任の打診をいただいたときは体が震える、全身に血が駆け巡るような思いだった。三浦大輔監督とは、18歳の頃からの付き合いなので、これまで三浦監督が作り上げてきたチームをさらにアップデートして、リーグ優勝を達成したいです」

現役時代はともにプレーし、コーチとしても支え続けた三浦前監督の思いを『継承』し、背番号は同じ81。

さらなるアップデートを誓う相川新監督に悲願のリーグ優勝、日本一奪還は託された。

(文・DeNA担当 フジテレビスポーツ局 戸井田 涼花)