2025年のプロ野球、セ・リーグは阪神が両リーグ史上最速で優勝し、パ・リーグはソフトバンクが2年連続でリーグ制覇した。日本シリーズでは、第5戦の延長11回までもつれた熱戦を制したソフトバンクが5年ぶり12度目の日本一に輝いた。
フジテレビ系列12球団担当記者が、そんな2025年シーズンを独自の目線で球団別に振り返り、来たる2026年シーズンを展望する。
今回は、2年連続2位だった日本ハム。
「大航海は続く」をチームスローガンに、リーグ優勝だけを目指し進み続けた2025シーズン。ファンと共に舵を取り、数多の荒波を乗り越えた。
しかし、辿り着いたのは惜しくも2年連続の2位。
2026シーズン、その先に待つ最高の景色を見るため、新庄ファイターズは更なる“圧倒的”進化を遂げる。
17年ぶりの完封勝利で始まった2025シーズン
新庄剛志監督(53)就任4年目の2025シーズン。
2年連続の最下位から、2024シーズンは2位と躍進したチームの目標は、言うまでもなく悲願のリーグ優勝。ひたすらに“頂”だけを目指すシーズンとなった。
それが単なる理想ではなく、確かなものであることを、選手たちは「開幕戦」で私たちに教えてくれた。
3月28日、ビジターでの西武戦、新庄監督から先発マウンドを託された金村尚真投手(25)が期待に応える圧巻の無失点ピッチングを披露すると、打線も主軸の清宮幸太郎選手(26)とレイエス選手(30)から一発が飛び出し見事に勝利。
ダルビッシュ有投手(39)が先発登板した2008年以来、球団としては実に17年ぶりの“開幕戦完封勝利”という圧倒的なスタートを切ったチームに、ファンや我々はいよいよリーグ優勝への期待を寄せずにはいられなかった。
その気持ちと共鳴するように、シーズン序盤から首位争いを繰り広げたチームは、5月11日に4連勝を経て単独首位へ浮上。
ファンのボルテージも更にアップ、エスコンフィールドHOKKAIDOで行われる試合には連日たくさんのファンが声援を届けるため球場へ足を運んだ。
7月上旬、一度オリックスにその座を奪われるもすぐに返り咲き、そのままの勢いで一気に頂へと駆け上がってくれるだろうと思った。
そんな矢先、燻っていた昨年王者ソフトバンクが、息を吹き返し2位へ急浮上。
そして迎えた7月29日からの首位攻防3連戦でチームは1勝2敗で負け越し、首位の座を奪われた。
これが王者の貫禄なのか、そこからはゲーム差をじわじわと広げられ、終わってみれば首位奪還ならず、レギュラーシーズンは4.5ゲーム差。悲願のリーグ優勝は叶わなかった。
ソフトバンクに追いつけなかった2024シーズンの2位、ソフトバンクに追い越された2025シーズンの2位。
チームが成長し強くなったことが揺るぎない事実であると同時に、選手とファンの心の中により大きな悔しさが残ったのも事実。似て非なる2年連続の2位、この気持ちを忘れることなく、2026年こそはまだ見ぬ‘頂’からの景色を選手たちと共に。
【日本ハム シーズン成績】
レギュラーシーズン 83勝57敗3分、勝率.593 リーグ2位
CSファースト2勝0敗
CSファイナル3勝4敗(アドバンテージの1勝含む)で日本シリーズ進出ならず
クライマックスシリーズで見た確かな成長と意地
エスコンフィールドHOKKAIDOで行われた3位オリックスとのCSファーストステージはファンの後押しもあり2連勝で突破。2位からの下剋上をファンに誓い、チームは王者ソフトバンクが待つ敵地の福岡へ向かった。
2024シーズンのCSファイナルステージは初戦からソフトバンクに3連敗、最短での敗北を喫した。そして2025年、奇しくも前回同様に初戦と第2戦を落とし、後がなくなった第3戦。
2024年のリベンジをかけて臨んだその戦いで選手たちは見事、過去の自分たちを超える姿を見せてくれた。
さらにはそこから勝利を重ね、日本シリーズ進出まであと1勝、逆王手となる快進撃を見せてくれた。
そんな熱い戦いを届けてくれた選手たちに心から感謝したい。
負けた悔しさと共に、来シーズンへの更なる期待と希望を抱かせてくれたチーム。来シーズンこそはリーグ優勝、さらには日本一へと登りつめてほしい。
チームを支えた土台は先発陣の圧倒的な完投力
2025年のチームを支えた大きな柱は先発投手の完投力にあった。
12球団で完投数2位の広島が10、対して日本ハムは23という圧倒的な数字を残した。
その上、四死球数は12球団最少。そんな精鋭集う先発陣の中でもひと際輝きを放ったのは、エースの伊藤大海投手(28)だった。
2年連続での最多勝、最多奪三振と投手二冠を達成。さらに、球団としては2007年のダルビッシュ有投手(39)以来、18年ぶり2人目となる「沢村賞」を受賞した。
ちなみに北海道出身選手の受賞は初の快挙だ。
10月31日に会見に臨んだ沢村賞右腕は「もし子供ができたら、ドジャースの大谷翔平さんでも取っていないんだよと伝えたい」と喜びを噛みしめた。
そんな発言からほどなく、12月には第一子となる長男が誕生。
プロ6年目、パパ1年目のエースは来シーズン、チームのリーグ優勝と、キャリアハイ15勝を挙げての2年連続となる沢村賞受賞を我が子とファンに必ずや届けてくれるだろう。
【17伊藤大海 2025シーズン成績】
試合:27 勝:14 防御率:2.52 奪三振数:195 投球回:196.2 完投:6 勝率:.636
12球団トップのHR数と長打率を誇る強力打線
2025シーズンの日本ハムは一発で勝負を決めるチームだったと言っても過言ではない。
HR32本、90打点と野手二冠に輝いたレイエス選手(30)を筆頭に、万波中正選手20本、清宮幸太郎選手12本、水谷瞬選手12本、郡司裕也選手10本と、5人が2桁ホームランを放った。
長打率も.381と全球団トップの数字を誇るなど、強力打線がチームを勝利に導いた。
それに加え個人成績では、清宮幸太郎選手がリーグ最多の138試合に出場、リーグトップにあと1本に迫る143安打を記録するなど、キャリアハイを更新。
また背番号を30から3へ変更、新庄剛志監督からは来シーズンの開幕戦4番に指名された郡司裕也選手は今シーズン、規定打席には届かなかったものの、111試合に出場し打率は.297、2年連続の2桁HRを記録した。
間違いなく、2026シーズンのリーグ優勝には欠かせない存在の1人である。
唯一無二のキャラクターで、パフォーマンスやトークでも高打率を誇る郡司裕也選手。シーズンの開幕と同時にファンの間では背番号3グッズの争奪戦が繰り広げられるだろう。
2026シーズンは悲願“頂から見える景色”をファンと共に
2025年は掴みかけた。間違いなく掴みかけた「リーグ優勝」という名の“頂”。
「今年はリーグ優勝できた。日本シリーズに進むのは僕らじゃなきゃいけなかった」と唇を噛み締めながら来シーズンの優勝を改めて誓った新選手会長の清宮幸太郎選手。
「ファンを含むチームで、エスコンフィールドで、みんなで優勝したい」と年末の取材の際に話してくれた。
そして今年も指揮を取る新庄監督は「さらに強いチームができあがる予感がビンビンする。まだまだ強くなるんで。ダントツに優勝して日本シリーズに行く準備をします」と圧倒的優勝を宣言。
“頂”からの景色は一体どんなものなのだろう。チームとファン、一丸となって2026シーズンへ臨む。
(文・日本ハム担当 北海道文化放送 長内陽一)
