1日あたり約7万人が利用する羽田空港国際線ターミナル。訪日外国人が過去最多を記録する中、12月は、1年で最も旅行者が増えます。

「サン!シャイン」は、国の安全を水際で守る年末の空港税関に密着。鋭い眼差しで密輸などを阻止する緊迫の現場を追いました。
大量の袋に怪しい黒い包み…中身は?
入国者の手荷物をチェックし、密輸などを水際で取り締まる羽田空港の税関検査場。24時間体制で職員が目を光らせます。

羽田税関支署 髙栁恵一次長:
(検査対象者の)ポイントとしましては、詳しくは言えないんですけど、通常と違うところを注視するっていうところかと思います。

税関職員:
エックス線検査にかけていい?
職員が声をかけたのは、ベトナムからやってきたビジネス目的だという男性。キャリーバックに加え、透明なテープで頑丈に梱包された大きな段ボール4箱を持ち込もうとしています。
段ボールの中身はすべて服とお菓子だと説明しますが、職員はまず、箱の中身を確認するため、エックス線で検査を行います。

税関職員A:
何だろうね。
税関職員B:
縦線がいっぱい入ってる。中に詰まってる感じ。たばこっぽいですね。
税関職員A:
ちょっと検査台に連れてって。
より詳しい検査が必要と判断し、開けた場所に移り、箱を開封していきます。
出てきたのは、大量のオレンジ色の袋。よく見ると、高級ブランドのロゴが見えます。さらに、怪しい黒い包みが出てきました。職員が中を開けて確認すると、次から次へと出てきたのは「たばこ」です。

免税範囲は、紙巻きたばこが200本まで。超えた分は全て課税対象となりますが、最終的に出てきたのは3万4000本。かかる税金はなんと51万円にのぼります。
そして、タバコを包んでいた高級ブランドのロゴが付いた服やスカーフは…。

税関職員C:
これあれだね、コピーだね。
税関職員D:
(表示価格)6800円ってこと?ベトナムドンだったら安いよ。
※6800ドン=約40円

すべて高級ブランド品などのコピー品だといいます。
出てきた偽ブランド品は60点…。男性はコピー品と認めすべてを放棄。
たばこは、1400本分2万1000円の税金を支払い、残る3万2600本を放棄しました。
荷物から“覚醒剤成分”検出
午後7時、突如として、現場に緊張が走ります。

税関職員:
TDSでメタンフェタミンを探知しています。
――メタンフェタミンって?
覚醒剤の名前ですね。

検出されたのは覚醒剤の成分。覚醒剤成分が検出されたのは、オーストラリアの東にある島国、バヌアツ共和国から来日した男性のスーツケース。男性は別室に移動し、職員から聞き取りを受けることになりました。

一方、別の職員は男性のスーツケースの中身を徹底的に調べていきます。
治療目的で来日したという男性のスーツケースの中に入っていたのは、茶葉の包み6個や点滴の際などに使うという生理食塩水が入ったボトル。エックス線検査で不正薬物が隠されていないか調べ、さらに生理食塩水だというボトルは、中に薬物が溶け込んでいないか、特別な検査を行います。

――何も出なさそう?
税関職員:
異常はないと思います。仮に薬物とかを溶かし込んでたら何かしらの表示は出ると思うので。
所持品すべてをくまなく検査したところ、スーツケースからごく微量な覚醒剤の反応が検出されたものの、覚醒剤自体を持ってはいなかったため男性は入国を許可されました。
今回、男性のスーツケースから覚醒剤の成分を検出したのは、どんな微量の薬物も見逃さない「TDS」という検査機器です。

TDSは、不正薬物や爆発物を短時間で探知することが可能で、トランクや持ち物の表面を専用の布で拭き取り分析。目に見えない微量の成分も検知することができるといいます。

税関職員:
TDS(検査)っていうのは信用性が高いというか微量でも探知しやすいものなので、本人が使っていなくてもスーツケースを使っている周りで使ってたりとか、スーツケース同士くっついたりとかで接触することはあるので。微量でも探知するので、こういうことはあると言えばありますね。
“コカイン成分”別室で厳重検査
午後8時、ニューヨークからの便で観光で来日したというアメリカ人男性。
アメリカ人男性:
東京に行こうと思っています。短い滞在ですが、ちょっと東京の景色を見てみたいなって。
何気ない会話から何かを感じ取った税関職員は、男性のスーツケースの中を入念にチェックしていきます。カバンの中から出てきたのは靴や衣服などで、怪しい点は見受けられませんが、もう一人の職員が念のため、男性の荷物を白い布でふき取り、TDS検査にかけます。すると、コカインの成分が検出されました。

税関職員:
TDSでコカイン反応が出てます。
一気に慌ただしくなる現場。男性は厳重検査を行うため検査室へ移動。取り締まりの関係上、音声のみの取材が許可されました。

〈検査室でのやりとり〉
税関職員:
あなたはドラッグ(薬物)をやったことはありますか?
男性:
これまでもですか?ないです。やったことありません。
税関職員:
ポケットの中身を全部出してください。もうないですか?ありがとうございます。靴の検査もお願いします。
男性:
靴もですか?
税関職員:
はい、座ってください。OKです。ありがとう。 これでもうないですか?
男性:
はい。
所持品をくまなく調べるも不正薬物は見つからず、再度行われたTDSによる検査でも不正薬物は検出されませんでした。不正薬物を所持していないことが分かり、男性は入国が認められることになりました。職員によると、検査機器の精度が高いため、来日前になんらかの形でカバンに付着したごく微量のコカイン成分を探知した可能性があるといいます。
年々巧妙化する不正薬物の密輸を防ぐため、細かいところまで目を光らせる税関職員たち。まもなく、出入国者のピーク、年末年始を迎えます。

羽田税関支署 髙栁恵一次長:
どうしても旅行者が増えますと業務量が増えますので、そういった中でも密輸事犯に対応していく必要があるとは思います。
(「サン!シャイン」12月24日放送より)
