2人の背中追いかける爆発力を秘めた20歳
「2人がいなかったら、そんなに早くから4回転やトリプルアクセルをやってなかった。2人に対しての思いはすごくあります」
幼い頃から2つ年上の鍵山・佐藤をライバルと定め、三浦は彼らの背中を追いかけてきた。
“ランボルギーニ”と称される超ハイスピードなスケーティングと、ダイナミックな4回転ジャンプを武器に、2024年は世界選手権に初出場。
しかし近年は、もどかしいシーズンを送っていた。
「練習でも跳べているけど、それがなかなか本番に結びつかなかったので大変でした。まず1つはメンタル面。どこかで不安や緊張があって。それを気にしないようなメンタルトレーニングを行ったり、足の古傷もどこかで左足をかばったやり方というか、痛くないけど痛くなるのを恐れてかばったりしていたんじゃないかと」
それでも2人に食らいつくために試行錯誤を重ねた三浦は、「大変でしたけど楽しいと言えば楽しい」と前を向く。
その成果が表れたのは、GPシリーズカナダ大会。世界でも跳べる人が少ない高難度ジャンプ、4回転ループを華麗に決め3位表彰台にのぼった。本人も手ごたえを感じたという。
「ダントツで過去イチでした。ようやくコツを覚えはじめてきた感じです。ここ3年くらいは確率が良くありませんでしたが、練習でも確率良く跳べてきて、今シーズンはオフから特化して練習してきたので、今年は結構いいループができているんじゃないかと思います」
そして、三浦にとってはシニアとして初めて挑む五輪選考会となる全日本。勝つことを考えると4回転ループはカギになると語る。
「勝つためと考えたときに、4回転ループ込みのトータルパッケージ。今のところ日本男子も3本までで、優真がフリップ入れてくれば4本になるけど、みんなずっと3本で。4本トライするのは僕だけなので、全部決まればオリンピックにかなり近づく」
「良い意味で爆発はしたいですが、爆発させるためにも今の自分に集中して、本番で自分のパフォーマンスを出すだけ。僕は僕で自分を信じて集中する。これだけやってきたからあとは自分を信じるだけという考えで。ダメでも後悔しない練習をしてきたという練習をしているから、どんな結果でも受け止められる。やるからにはみんなに立ち向かっていきたい」
爆発力を秘める20歳の活躍に注目だ。
