最大のライバルとともに初の五輪へ一直線

そんな鍵山と切磋琢磨してきたのが、同級生の佐藤駿だ。

4回転ルッツの高難度ジャンプを武器に、昨季は世界選手権へ初出場。総合6位となり、オリンピック出場枠3枠獲得へ大きく貢献した。

迎えた今季は、オフシーズンにアイスショーで足を負傷してしまうアクシデントも。シーズン序盤は本調子で挑めない試合が続いた。

東京選手権ではシーズンベストをマークし優勝
東京選手権ではシーズンベストをマークし優勝

それでも今までの努力が報われたのは、GPシリーズ初戦。会心の演技で中国杯連覇を達成する。続くNHK杯ではフリーで鍵山を超えて1位になり、総合2位で表彰台にのぼった。

佐藤は今まさに、波に乗っている。

全日本に向けて順調に練習ができているという佐藤は「練習はもうたくさん積み重ねてきているので、本番でどれだけ自信を持って挑めるか。緊張しないかが重要になってくる」と、あとは気持ちの面が大事だと話す。

ジャンプの練習も良いイメージで終わることが大事だと語り、「自分の中で納得のいくジャンプを跳んだら終わりにするようにしている。質のいいジャンプを一本と、やっています」。

佐藤にとって重要になってくるのが武器とする4回転だ。特に4回転ルッツはジュニア時代から入れてきている、本人いわく「相棒的な存在」だという。

「4回転ルッツは自分の一番得意なジャンプですし、好きなジャンプなのでしっかり降りて。去年の全日本でショート・フリーともに失敗してしまったので、そのリベンジを果たしたい」

2024年の全日本は本領を発揮できず7位に
2024年の全日本は本領を発揮できず7位に

迎える勝負の全日本は、佐藤にとってもひときわ特別な舞台だ。

「雰囲気が違うんですよね。GPシリーズやGPファイナル、四大陸や世界選手権と本当に全然違う会場の雰囲気と氷の感触。自分で勝手にそう思っているだけかもしれないですが、他の試合とは違うと思います」

その独特な雰囲気にのまれ、去年の全日本では本領を発揮できず、7位に。今回の全日本では「自分の満足のいく結果と演技を目標に頑張る」と意気込む。

「自分の演技が最後に笑顔で終われれば。去年はすごく悔しい思いもしたので、今回は真逆の演技、真逆の感情で終わるようにしたいと思っていて、その先にオリンピックや優勝が待っているのではないかと」

リベンジに燃える佐藤。「目標とする選手でもあり、たくさんの刺激を受けている」と語る鍵山との熱き戦いに期待がかかる。

そして3人目が、三浦佳生だ。