12月19日から行われる全日本フィギュアスケート選手権。今年は4年に一度のオリンピックの最終選考会を兼ねている。その全てが決まる大舞台に挑むのは、山本草太(25)だ。
北京五輪選考会となった2021年の全日本は8位。そこから2023年に世界選手権に初出場、全日本で3位表彰台と積み上げて迎えた今季。
「戦えてるっていうことがすごく楽しくて」
決して順風満帆とは言えなかったスケート人生の中でも、腐ることのなかった不屈の精神。
25歳となり迎えたオリンピックシーズン。山本の勝負の一戦に懸ける思いに迫る。
決して“順風満帆”ではなかったスケート人生
去年の全日本選手権では10位と結果を残すことができなかった山本。
シーズン後半の国際大会への派遣はなく、迎えた今季。五輪シーズンへ向け、得点源となる高難度ジャンプ4回転フリップの習得を目指し練習に励んでいた。
序盤のローカル大会などでは投入するなどギアを上げようとしていた矢先。国際大会となるCS木下杯の直前に腰を痛めてしまうというアクシデントが発生する。
さらに全日本の予選となる中部選手権にも万全の状態で挑むことができなかった。
ショートでは無理をしないためシングルジャンプで挑むという選択もあったようで、「8年前を思い出して懐かしい気持ちになった」と語った。
山本が「懐かしい」と思い出したのは、2017年ケガ明けに出場した中部選手権のこと。
半年間で2度の骨折と3度の手術を繰り返し、氷上から離れる日々を過ごした。それから厳しいリハビリを経て、2017年に氷上へ復帰を果たした。
5歳からスケートを始め今年で20年。ケガに悩まされてきた、決して“順風満帆”とは言えないスケート人生でも前を向き続けてきた山本。
その不屈の精神を突き動かすものがあるという。
