壁から次々と下りてくるのは野生のサルの群れ。
数え切れないほどのおびただしい数です。
鳴き声を上げながら、どこかに向かうサル軍団。
合わせて100頭以上はいるとみられます。
サルの大移動がカメラに捉えられたのは、中国南西部の貴州省貴陽市にある観光地「けん霊山公園」です。
公園内の階段を見ると、わずかな隙間もないほどびっしりと大量のサルで埋め尽くされています。
そばに人がいても、お構いなし。
地元メディアによると、この公園ではサルが急増し、大きな問題になっているといいます。
公園の広さなどから、サルが園内で生息できる上限は400頭ほどとみられますが、天敵がいないことや観光客の餌やりなどにより数が増え、現在は何と1000頭以上もいるとみられています。
公園内には、多い日で1日に10万人以上もの観光客が訪れることから、サルとのトラブルが頻発。
2025年10月までに人がけがをさせられた事故が1600件以上発生していて、公園側は餌やりを控えるよう呼びかけています。
増えすぎたサルたちが目撃されるのは、何も公園内だけではありませんでした。
サルたちは餌を求めて山を下り、市街地エリアにも頻繁に出没しています。
市内にあるコンビニエンスストアでは、3頭のサルが入り口から店内に侵入。
サルたちは慣れた手つきで棚にある袋をつかむと、そのまま逃走しました。
この招かざる客を、女性店員はぼうぜんと見つめるのみです。
また、大学に侵入したサルは、デスクで見つけたごはんをパクパク。
まさに、やりたい放題のサルたちですが、市民は手出しができません。
というのも、地元メディアによると、サルは国家2級の保護動物に指定されていて、許可なく捕獲したり殺傷したりすることができないということです。