未成年の少女らへの性的虐待などの罪で起訴され、拘留中に自死したとされている、富豪・エプスタイン氏。

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そんなエプスタイン氏に関する資料、通称「エプスタイン文書」に新たな動きがありました。
3月5日、アメリカ司法省が新たな資料を公開。そこには、トランプ大統領の性的暴行疑惑に関する、新たな証言が記されていたのです。

資料には1980年代、当時13歳から15歳だった女性が、エプスタイン氏を通じてトランプ氏を紹介され性的暴行を受けたことや、その際のトランプ氏との具体的なやりとり。

さらに、トランプ氏とエプスタイン氏が女性たちを「新鮮な獲物」「まだ手付かずのもの」と呼んでいるのを聞いたとも書かれていました。

2月27日にはエプスタイン文書と自身の関係について、「この問題については完全に潔白が証明されている」と発言していたトランプ氏。
今回公開された資料についても、ホワイトハウスのレビット報道官は、「まったく根拠のない非難であり、裏付けとなる信頼できる証拠は一切ない」と主張しています。

新たな文書の内容とアメリカ国内の反応

イランへの軍事作戦進行中に公開された新たな資料。なぜこのタイミングだったのか。そして、トランプ政権への影響は…。

『サン!シャイン』は、アメリカの政治情勢に詳しい、キヤノングローバル戦略研究所の上席研究員である、峯村健司氏に詳しく聞きました。

――新たな文書の内容について、どのように分析をされていますか?
峯村健司氏:

女性の方の証言が、被害を受けた場所や同席していた方がどんな人だったかが、結構曖昧だったりとか、FBIの調査も何度か女性を呼んで事情を聞いていたのですが、途中から連絡がつかなくなったりということもあったらしいです。なので、事実かどうかの解明はできていないというのが実態だと思います。なんせ1980年代の話なので。

――米司法省は資料の公開が遅れたことに対して、「誤って重複する資料に分類されていた」ため公開が遅れたと釈明していますが。
峯村健司氏:

この説明は、イマイチ納得ができないです。この「重複していた」というのが、かなりメディアや野党に批判されているんです。
例えば、公開しない理由として、プライバシーや未成年の少年少女の問題の場合は出さなくてもいいという項目があるのですが、そうではなく「重複」だというのが、「逆に何か隠しているのではないか」というような、世論を感知してしまっていると。

今回のトランプ氏に関する新証言について、国民はどのように受け止めているのでしょうか。米・ワシントン支局の林英美記者は…。

米・ワシントン支局 林英美記者:
国民の最大の関心事ともいえるトランプ大統領とエプスタイン氏との資料が、今になって公開されたことについて、トランプ政権や司法省に対して批判の声が集まっています。
また、いまだに37ページ分の資料が公開されておらず、司法省は機密文書や捜査中の連邦捜査に関連する文書だなどと説明していますが、「政権について都合の悪い文書を隠しているのではないか」という疑念が高まっています。

――一連の“エプスタイン問題”で、何が一番問題視されているのですか?
今、アメリカで注目されているのは司法省が公開した文書で、エプスタイン氏がニューメキシコ州にある自身の牧場の外に、外国人少女2人の遺体を埋めるよう命じたとする内容も記録されていました。そして、ニューメキシコ州司法当局はきょう、この牧場を捜索したことを発表しています。
米メディアは、エプスタイン氏の死後、この土地の所有者が変わっており、州の捜査は難航するだろうと報じるとともに、捜査が遅すぎたなどと指摘しています。

トランプ氏「キューバ崩壊」発言の真意 今後の捜査は?

国内からも「トランプ氏はエプスタイン文書から目をそらすために、イランを攻撃したのではないか」という声が挙がる中、5日にトランプ氏に関する新たな文書が公開されると、翌日の6日には、アメリカによるエネルギー封鎖に直面しているキューバに対して、「キューバはまもなく崩壊するだろう」と発言したトランプ氏。

――このタイミングでのトランプ氏の「キューバ崩壊」発言には、どのような狙いがあるのでしょうか?
峯村健司氏:

キューバ自体に攻撃するかどうかは、まだ決めていないと見ているのですが。基本的にトランプ政権のPRのやり方というのは、『トップニュースを作っていく』というやり方なんです。毎日色々なニュースを作ることで、マイナス・ネガティブなニュースを打ち消していくと。
そのやり方を考えると、今イランの問題が少し長引きそうで、ニュースの注目も下がってきたという中で、次は新たにキューバという、次のトップニュースを打ち出したという狙いがあるのではないかと。

――今後、トランプ氏が「エプスタイン文書」に関して、公の場で説明を求められる可能性はあるのでしょうか?
前回、クリントン元大統領がトランプ氏に証言するべきだと言っていますので、ここは公聴会なり応じる可能性は高いと思います。

――曖昧な状況で止まっている、元少女の捜査が今後きちんと進められる可能性はあるのですか?
元少女の方について、捜査は実質進んでいないんですね。私は、この事実解明が進むとは見ていないです。むしろ、関係していた方々への事情聴取などで(捜査が)進む可能性はありますが、決定打になる可能性はそんなに高くないと思います。

――いまだ未公開の資料が、今後公開される可能性は?
(現在公開できる資料は)ほぼこれで出てはいます。あとは、膨大すぎて分析ができていないんですね、全ての。なので、ここからどのような分析ができてくるかという所に焦点は移ると思います。
今、便利な検索のデータベースなどを作っている方がいて、だいぶ(分析が)進んできてはいます。なので、そんなに遠くならないうちに、事実整理はできるようになると思います。
(「サン!シャイン」 3月10日放送)