全国に先駆けて7月に収穫する超早場米の産地として知られる鹿児島県南種子町で、今年も田植えが始まった。温暖な気候を生かした米づくりが盛んな同町では、「令和の米騒動」による米不足を受けて作付面積を拡大し、今年も増産を目指している。
温暖な気候で苗もグングン成長
3月9日、南種子町の新栄物産の田んぼでは、12、3センチほどに成長したコシヒカリの苗が田植機で次々と植えられていった。同社の岡田直人さんは「今年は暖かい日が続いて苗もグングン伸びた。きょう(田植え)を迎えられてよかった」と話し、順調な生育に手応えを感じている様子だった。
田植えは4月20日ごろまで続く予定で、苗が順調に育てば7月10日ごろに稲刈りを行う計画だ。他の地域より約3か月も早い収穫時期は、南種子町の温暖な気候条件があってこそ実現できる。

米不足受け作付面積を2割拡大
新栄物産では、いわゆる「令和の米騒動」による米不足を受けて、2025年は作付面積を大幅に拡大した。それまでより2割ほど多い90トンの米を収穫し、需要増に対応した。米価格の上昇についても岡田さんは「農家としては経費が上がる中での値上がりでいい部分もあった。適正価格でこれからも推移してくれると助かる」と複雑な心境を語った。
2026年もさらなる増産を予定しており、95トン程度の収穫を見込んでいるという。全国的な米不足の中で、超早場米の産地としての役割がますます重要になっている。
超早場米が果たす役割
南種子町の超早場米は、7月という収穫時期の早さが最大の特徴だ。新米が他の地域よりも早く市場に出回ることで、消費者にとって貴重な食料供給源となっている。特に近年の米不足の状況下では、その価値はさらに高まっている。
温暖な気候条件に恵まれた南種子町だからこそ実現できる超早場米づくりは、地域の重要な産業として定着している。今年も順調な田植えのスタートを切り、7月の収穫に向けて期待が高まっている。
農家にとっては経費上昇という課題もあるが、適正な米価格の維持により持続可能な農業経営を目指している。南種子町の超早場米が、全国の食卓に新米の喜びを早く届けてくれることだろう。
(動画で見る▶「令和の米騒動」からの増産 南種子・超早場米、作付拡大で95トン見込み 7月収穫へ始動)
