たとえば、誰かを食事に誘いたいと思ったとき。「いまは忙しいかもしれない」「来週のほうがいいかな」と誘いをためらうこともあるでしょう。
でも、相手の都合は相手にしかわかりません。ひとりで考えすぎるよりも、まずはひと言メッセージを送ってみる。
その瞬間から、物事が動き出します。相手の判断に委ねるしかないことなら、まずは自分がボールを投げてみること。それだけで関係は前に進みます。
「すぐにスタートを切る」ことに特別なスキルはいりません。前に進み続けていれば、必ずチャンスにも恵まれます。
コンディションが悪いときは
【パフォーマンスを安定させる】
朝起きたとき、なんだか体が重くて動きたくない。仕事に向かう足取りが重い。集中力が続かない……。そんな日は誰にでもあります。そんなときは、「コンディションが悪い」状態であり、エネルギーが落ちている証拠です。
エネルギーが低いときに、「いつも通りにやらなければ」と無理をしてしまうと、うまくいかないばかりか、心や体をさらに疲れさせます。
選ばれる人は、自分の状態を常に冷静に把握して、そのときどきのコンディションに合った行動を選びます。そして、決して無理はしません。
仕事もままならないほどコンディションが悪いのであれば、思いきって休み、誰かに変わってもらいます。休むことで、体調が整うのと同時に、ミスをおかすリスクも避けられます。
調子が悪くても休むほどではない場合は、できる範囲でやれることをやります。
選ばれる人の「休む」判断
「今日は5割の力しか出せない」と感じたら、ペースを落として、いつもの半分の仕事をすればいい。「今日はボチボチいくか」と決めれば結果的にうまくいきます。
いつもの5割ほどの状態のときに一番してはいけないのは、「完全に休む」こと。余力がある状態で完全に休むと、翌日の負荷がぐんと上がる可能性があります。
たとえば、毎日筋トレをやっていたのに、完全に休んでしまうと、リスタートが面倒になったり、そのまま足が遠のいてしまったりします。
また、直近のトレーニングで鍛えた分を取り戻すのに倍以上のトレーニングが必要になります。余力があるのなら、いつもより軽いトレーニングにしたり、時間を短くしたりすると次のトレーニングにあまり影響はありません。仕事も同様で、いつもより量や時間を減らしてみる。流れを完全に止めないことが大切です。
「無理をしない」と選択するのは、怠けることとは違います。持続可能な状態を保ち、長く安定して成果を出すために欠かせない選択肢です。
気分や体調に波があるのは、人間として自然なことです。その波に逆らわず、波を読んで動けば、パフォーマンスが安定します。
安定した成果を出すことは、「いつでもこの人に任せられる」と信頼を集めるための大切な条件です。
