2024年12月、沖縄県沖縄市で出産直後の自分の赤ちゃんを窒息させ殺害したとして、殺人の罪に問われている母親に対し、那覇地方裁判所は20日、懲役4年の実刑判決を言い渡しました。
この裁判は、沖縄市の元飲食店従業員の嘉陽菜奈美被告(31)が、2024年12月、沖縄市の自宅の敷地内で、出産したばかりの女の子の赤ちゃんの顔を、自らの胸近くに押し付け、窒息させて殺害した殺人の罪に問われているものです。
これまでの裁判で検察側は、自己都合を優先し、乳児の命を軽視した短絡的な犯行などと指摘し、懲役5年を求刑しました。
一方、弁護側は、妊娠について家族や交際相手に相談できないなど、被告が孤立した状況に置かれていたとして、執行猶予付きの判決を求めていました。
20日の判決で、那覇地方裁判所の小畑和彦裁判長は、被告人が反省の態度を示していることや、家族らが被告人の支援を約束していることなど、汲むべき点はあるとしたいっぽう、「乳児の生命を容易に奪い去った危険性の高い犯行であった」と指摘し、「被告人の意思決定はあまりに不合理で浅はかである」として、懲役4年の実刑判決を言い渡しました。