【続報】福岡・田川市の保育園で保育士10人による“虐待”事案が発覚していた問題で、保育園側が、再発防止策を報告する3回目の保護者説明会を開催。明かされたのは、『園の半数以上の保育士10人が、2カ月間で98件もの虐待と認められる事案を起こしていた』という驚きの事実だった。
2025年10月、福岡・田川市の『松原保育園』で発覚した複数の保育士による園児への“虐待”。県は、14人の保育士うち10人が、園児を殴ったり、叩いたり、給食中に口に食べ物を強引に押し込んだりする身体的な虐待行為を行っていたと認定。県は、保育園に対し、再発防止策の提出を求めている。

“不適切”保育士2人で98件
2025年11月16日。3回目の保護者説明会が開かれた田川市の松原保育園。これまで2回の保護者説明会が紛糾したことから、今回は、警備員を配置されていた。冒頭、「大変申し訳ございません」と理事長の陳謝から始まった説明会だったが、直後にマイクを握った園側の弁護士から明らかにされたのは、予想を超える驚きの事実だった。

「確認された『不適切な行為』、これは全部、この園の中で2カ月間だけの件数ですが、132件あった。

『ひと月に約50件ということは、毎日1.5回という数になります。そのうち“虐待”にあたるものが98件。『不適切保育にあたるもの』が34件あった」。弁護士は更に、「全体の74.2%、約4分の3が保育士Aと保育士Bの2人よるものだった」と付け加えた。

既に懲戒解雇となっているとはいえ、保育士AとBによる園児への“不適切な行為”は、調査にあたった弁護士などから見てもかなり酷かった話す。「私たちの調査の範囲では、Aさん、Bさんは、明らかに質が違うという程度に、ビデオを見る限り酷い」。

また、“不適切行為”のほとんどが、給食の時間中だったという。

この調査結果を受けて弁護士は、改善案として①外部研修の実施②給食の完食義務の廃止③現場をとりまとめる保育士の採用④1クラス2人担任制の導入などを挙げた。

我が子が想像以上の酷い扱いを受けていた事実を知った保護者たち。質疑応答では、理事長と園長の責任を追及する声が相次いだ。「理事長は、何の保育に関わっているんですか?私、今まで1度も見たことないんですよ、保育園にいる姿を」
約2時間に及んだ保護者説明会。会場をから出て来た保護者に話を聞くと、「園に?何も求めません。潰れて下さい!」「ここは潰れて欲しいけど、次の行き場を探して欲しい。保育園の」と怒りは収まらない様子だった。

こうした保護者の反応を受けて理事長は、「弁護士等にも相談してやっていますので…。責任の取り方は、県への対応が終わらないと・・・」と言葉を濁した。

松原園は、11月20日までに福岡県と田川市に対し、改善報告書を提出する方針だ。
(テレビ西日本)
