サッカー部で相次ぐ“不祥事”時系列で整理

この記事の画像(5枚)

宮城県の高校サッカー界が、かつてない異例の事態に揺れている。
名門・仙台育英高校サッカー部の“全国大会辞退”。
その余波が続く中、県大会準優勝の聖和学園高校サッカー部でも複数部員の飲酒・喫煙が明らかになった。

県内の強豪2校で相次いだ事案は、何を示しているのか。
両校の経緯と対応を、時系列で整理する。

【1】発端は仙台育英の「いじめ重大事態」→全国大会辞退へ

仙台育英学園高等学校
仙台育英学園高等学校

11月、仙台育英高校サッカー部の「いじめ重大事態」について、学校長が保護者に通知した。
学校が明らかにした主な経緯は以下の通り。

・2023年度入学後、現3年生の男子部員が複数部員から暴言などを受ける
・2024年5月、男子部員が学校職員に相談
・2025年10月、再度相談があり学校が詳細調査を開始
・2025年11月1日、全保護者に「校長所見」でいじめ重大事態を通知
・2025年11月2日、全国高校サッカー選手権宮城県大会で優勝
・2025年11月4日、仙台放送が一報
・2025年11月5日、学校が全保護者に調査方針を通知
・2025年11月12日、学校が「構造的いじめ」を認定し、全国大会の出場辞退を発表

県代表の辞退は、104回の大会史上で初めてである。

【2】辞退の余波 宮城県代表は「空席」大会実行委員会の判断へ

辞退により宮城県代表枠は空席となった。
県サッカー協会は「学校の判断を尊重して受理した」とし、代替校の選定については大会実行委員会の判断に委ねられるとしている。

11月17日には全国大会の組み合わせ抽選会が行われるが、宮城県代表がどうなるのか、17日時点で結論は出ていない。

【3】準優勝校・聖和学園でも不祥事「複数部員が飲酒・喫煙」

聖和学園高等学校
聖和学園高等学校

こうした中、準優勝の聖和学園高校サッカー部でも、複数部員による飲酒・喫煙が判明した。

学校が明らかにした内容は以下の通り。

・行為は夏休み期間(7~8月)に発生
・夏休み明けに学校が把握
・該当した部員は退部・休部・転校など(学校の指導を受けた上での対応)
・高体連へは都度報告
・県大会には「該当生徒を除いたメンバー」で出場
・学校は「部全体の問題ではなく、個々の生徒の問題」と説明

飲酒・喫煙が常態化していたかについては「不明」としている。

異例の混乱が続く宮城の高校サッカー界。
代表選考の行方とともに、部活動の健全性をどう立て直すのかが問われている。

仙台放送
仙台放送

宮城の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。