テレビ宮崎の夕方ニュース「#Link」でお天気コーナーを担当している気象予報士・古山圭子さんが天気の豆知識を解説するコーナー。今回は、「気温急降下」についてお伝えします。
「児玉さん、最近夜空見上げてますか?」と切り出した古山予報士。児玉アナは、「先日、スーパームーンを見ましたよ」と答えると、古山予報士から、月に関する天体ショーの紹介がありました。

10日の夜遅くから11日の明け方にかけて見られる「月と木星の接近」という天体ショーです。ただし、夜空を見上げるには注意が必要、との補足がありました。「暖かくして見ていただきたいんですよね」という古山予報士の言葉とともに、この日のポイントが示されました。
冬の足音「気温の急降下」に注意!

この日のポイントは「気温急降下」。10日から11日の朝にかけて、気温が10℃前後も下がる所がある見込みだというのです。

宮崎市では、10日の朝は18℃前後で軽い羽織りもので十分でしたが、11日の朝は12℃まで下がる予想。古山予報士は「厚手の上着でお出かけください」と呼びかけます。

さらに冷え込みが厳しいのが北部山沿いです。高千穂町では、11日の朝の気温はなんと2℃の予想。「寒がりの方はダウンジャケットが必要となりそうですね」と古山予報士。この冷え込みは、季節が進んでいる証拠でもあります。
「北部の山沿いでは8℃以下となって紅葉のスイッチがオンとなるんです」とのこと。気温が8℃を下回ると、カエデなどが紅葉を始める目安とされているのです。また、霜注意報も発表されており、農作物の管理にも注意が必要な時期となりました。
なぜ勢力が落ちる?秋の台風と「海面水温」の深い関係
県内に冬の足音が聞こえ始める一方で、まだ「夏の名残」もあります。

それは、南の海上にある台風26号のこと。10日午後3時現在、暴風域を伴っていますが、この先、勢力を落として熱帯低気圧に変わる見込みです。なぜ、台風は勢力を落としてしまうのでしょうか。その鍵を握るのが「海面水温」です。

9日時点の海面水温の図を見ると、台風が発生・発達する目安とされる「海面水温27℃以上」のラインが、沖縄の南まで下がってきているのが分かります。
古山予報士:
つい1ヶ月ほど前までは九州の北の方にあったんですけれども、季節が進んでいる証拠となります。
台風は、暖かい海から供給される水蒸気をエネルギー源として発達します。しかし、北上して海面水温が低いエリアに進むと、エネルギーの供給が絶たれてしまい、勢力を維持できなくなるのです。今回の台風26号も、だんだんと形が崩れていくことが予想されています。
気温がぐっと下がり、冬の気配が近づいてきたこと。そして、海の水温が下がり、台風が発達しにくい季節になったこと。どちらも、私たちの周りで着実に季節が進んでいることを教えてくれます。冬はもうすぐそこまで来ています。体調管理に気をつけながら、季節の移ろいを感じてみてはいかがでしょうか。
(テレビ宮崎)
