テレビ宮崎の夕方ニュース「#Link」でお天気コーナーを担当している気象予報士・古山圭子さんが天気の豆知識を解説するコーナー。今回は、「台風と前線の関係」についてお伝えします。
暦の上ではもう冬!「立冬」と「寒暖差」の関係
11月7日は、二十四節気の「立冬」。暦の上では冬が始まる日です。その言葉通り、この日の朝は宮崎県内各地で冷え込みが強まりました。

五ヶ瀬町鞍岡では最低気温が4.6℃を記録し、宮崎市内の全ての観測地点で、今シーズン一番の冷え込みとなりました。高千穂町では幻想的な「雲海」が見られました。一方で、日中の最高気温は22℃前後まで上昇。朝と昼の気温差が10℃以上になり、「寒暖差」の大きい一日でした。
この時期は晴れた日の夜から朝にかけて、地面の熱が宇宙に逃げていく「放射冷却」という現象が起こりやすく、グッと気温が下がります。しかし、日中は太陽の光で暖められるため、気温差が非常に大きくなるのです。体調管理にも注意が必要な季節ですね。
台風が「前線に取り込まれる」とは?
続いて気になる台風26号の動きです。

進路予想では、暴風域を伴ったまま西へ進んだ後、北寄りに進路を変える見込みです。しかし、ここからが秋から冬にかけての台風の特徴的な動きになります。

古山予報士によると、月曜、火曜までは台風としての形を保っているものの、水曜以降は「前線に取り込まれるような形で、台風の形が崩れてくる」と古山予報士は解説します。

これは、台風が北上するにつれて、日本付近に停滞している「前線」の活動を活発化させるエネルギー源になる、ということです。台風そのものが直接上陸しなくても、台風が持っていた暖かく湿った空気が前線に流れ込むことで雨雲が発達し、大雨を降らせることがあります。
今回の予報でも、台風は次第に勢力を弱めながら、11月12日(水)から13日(木)の午前中にかけて、前線に取り込まれるような形となり、宮崎県内の特に南部で雨脚が強まる可能性があると解説されていました。
台風情報と聞くと「直撃するかどうか」に注目しがちですが、このように離れた場所からでも前線を刺激して大雨をもたらすことがある、というのも覚えておきたい知識です。
11月7日は「いい鍋の日」
ちなみに、11月7日は「いい鍋の日」でもあったそうです。「1」「1」「7」で「い・い・な」ですが、それに「べ」まで付けてしまうと「いい鍋」になりますね。

ちなみに児玉アナ、「今夜はキムチ鍋です」と、タイムリーなメニューになっていることを自慢していました。
(テレビ宮崎)