テレビ宮崎の夕方ニュース「#Link」でお天気コーナーを担当している気象予報士・古山圭子さんが天気の豆知識を解説するコーナー。今回は、「霜が降りる気温」についてお伝えします。

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気温計の数字だけじゃない!「霜が降りる」本当の理由

10月23日は二十四節気の「霜降(そうこう)」。暦の上では霜が降り始める頃とされていますが、まさにその言葉通り、来週はぐっと冷え込みが強まる見込みです。

宮崎市の気温変化を見ると、26日(日)には最高気温が28℃と夏日になる一方で、週が明けた28日(火)と29日(水)の最低気温は11℃まで下がる予想。さらに、高千穂町では28日(火)に4度、29日(水)には3度まで気温が下がる予想です。

ここで古山予報士から「お天気クイズ」

古山予報士:
霜は氷の結晶ですが、氷が張るのは0℃以下です。ではなぜ、気温が3度や4度だとしても霜が降りるのでしょうか?

答えの鍵は「気温を測る高さ」にあり!

少し悩んだコメンテーターに、古山予報士がフリップで答えを教えてくれました。その秘密は、私たちが普段目にしている「気温」が、どこで測られているかにありました。

天気予報で伝えられる気温は、原則として「地上から1.5メートルの高さ」にある温度計で観測されたものです。

しかし、霜ができるのは地面や植物の表面です。

よく晴れて風の弱い夜には、「放射冷却」という現象によって地面の熱がどんどん宇宙へ逃げていきます。その結果、気温計が3〜4℃を示していても、地面の近くの温度は氷点下の0度以下まで冷えることがあるのです。

つまり、空気中の水蒸気が、この0℃以下に冷やされた地面や物の表面に触れることで、氷の結晶となってくっつき、「霜」となるわけです。

霜が降りやすくなる条件を改めて3つにまとめると…

1.よく晴れていること(雲があると地面の熱が逃げにくい)
2.風が弱いこと(風が強いと空気がかき混ぜられて冷えにくい)
3. 気温が3〜4度以下になること

27日(月)からの週の前半は、特に北部山沿いでこの条件がそろいやすくなるため、ハウス栽培の果樹農家や施設野菜の農家の方は、暖房の準備など霜への対策が必要になります。

日々の天気予報の中には、このように私たちの生活や仕事に直結する、大切な科学の知識が隠されています。次に霜のニュースを見たときには、ぜひこの「気温計の高さ」を思い出してみてくださいね。

(テレビ宮崎)

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