テレビ宮崎の夕方ニュース「#Link」でお天気コーナーを担当している気象予報士・古山圭子さんが天気の豆知識を解説するコーナー。今回は、「初冬の天気ローテーション」をテーマにお伝えします。

晴れたり降ったり…初冬の空模様が目まぐるしいワケ

気持ちよく晴れたと思ったら、次の日には冷たい雨。そして急に木枯らしが吹いて寒くなる…初冬のこの時期、そんな目まぐるしい天気の変化に戸惑うことはありませんか?古山予報士によると、この時期の天気が周期的に変化する現象を「初冬のお天気ローテーション」と呼ぶそうです。

この記事の画像(5枚)

古山予報士と児玉アナが、その様子を寸劇で表現しました。児玉アナが扮するのは「サンサン高気圧」古山予報士が「ジメッとした低気圧」 この2つが交互に九州の上空を通過することで、私たちの周りの天気はめまぐるしく変わっていくのです。

では、具体的にどのようなローテーションになっているのでしょうか。3つのステップで見ていきましょう。

ステップ1:高気圧が主役の「小春日和」
まず主役になるのは高気圧です。移動性高気圧が九州付近を覆うと、穏やかで暖かい「小春日和」になります。空はすっきりと晴れ渡り、絶好の洗濯日和やお出かけ日和となります。

ステップ2:低気圧と前線が通過し「冷たい雨」
しかし、穏やかな晴れの天気は長続きしません。次にやってくるのが低気圧と前線です。これらが通過するタイミングで、空は雲に覆われ、冷たい雨を降らせます。

ステップ3:西高東低の「冬型」で木枯らしが吹く
雨が通り過ぎた後は、日本の西に高気圧、東に低気圧が位置する「西高東低」の冬型の気圧配置になります。こうなると、冬の訪れを告げる冷たい木枯らしがピューっと強く吹くようになります。

そして、この冬型の気圧配置が緩むと、またステップ1の高気圧がやってきて「小春日和」に…というように、この3つのステップがぐるぐると繰り返されるのが「初冬のお天気ローテーション」の正体なのです。

実際の天気図で見るローテーション

このローテーションは、実際の天気図にもはっきりと表れていました。

例えば、10日(水)は高気圧に覆われて穏やかな「小春日和」となります。しかし、翌11日(木)には前線が近づき、午後ににわか雨が予想されています。そして12日(金)には冬型の気圧配置となり、木枯らしが冷たい一日に。

さらに、13日(土)から14日(日)にかけて再び前線が通過して雨が降り、その後はまた冬型となって寒気が流れ込む…と、まさに「晴れ→雨→木枯らし」のローテーションが繰り返されることがわかります。

この「初冬のお天気ローテーション」を知っておくと、「晴れている今のうちに洗濯物を干しておこう」「明日は雨で寒くなるから、暖かい服装の準備をしよう」など、日々の生活の計画が立てやすくなりますね。

天気予報で「高気圧」や「前線」、「冬型の気圧配置」という言葉が出てきたら、ぜひこのローテーションを思い出してみてください。空の仕組みが分かると、日々の天気の移り変わりがより興味深く感じられるはずです。

(テレビ宮崎)

テレビ宮崎
テレビ宮崎

宮崎の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。