特集はこちら。見た目も華やかな瓶詰めのピクルスです。信州の野菜にほれ込んだ長野市の女性が1人で作り、販売しています。
カラフルな瓶詰めのピクルス。ネギ、カボチャ、紫キャベツなど信州の野菜が詰め込んであります。
作ったのは長野市の北村由希子さんです。この日、北村さんは100種類以上の無農薬野菜を育てる小川村の農園へ。
北村由希子さん:
「いいネギですね。畑自体が生き生きしているのでとても元気な野菜が採れて、ピクルスにすごく使いやすい」
野菜は農園に出向いて仕入れています。
まごころふれあい農園・久保田清隆さん:
「すごく由希子さん、きれいにこしらえてくれるし、おいしいし、食べてくれる人の健康までしっかり考え作ってくれてうれしいです。私はファンの1人なので応援しています」
野菜のプロも認める北村さんのピクルスですが、販売を始めてまだ1年半です。北村さんは事務の仕事をしていましたが、ある時から好きな野菜に携わる仕事をしたいと考えるようになりました。
ふと思い出したのが、アルバイトをしていた飲食店で食べたピクルス。北村さんは1人で「信州ピクルスキッチン」を立ち上げました。
北村由希子さん:
「お店で出してたピクルスがおいしくて、ピクルスの簡単なレシピを教わり、そこからピクルスを作るように。自分の大好きだった野菜と美しさを追求した上でこの瓶詰にたどり着いて。健康的ですし、いろんな人に食べていただきたい」
店舗を持たないため週2回、県工業技術総合センターのキッチンでピクルスを作っています。
大きさを考えながら野菜をカット。熱湯で加熱殺菌して瓶に詰めます。
北村由希子さん:
「色味のバランスと食べやすさも考えつつ、どうしたら一番野菜がきれいに見えるか」
味の決め手・ピクルス液はバルサミコ酢をベースにスパイスやハーブ、ワインを合わせて作ります。
瓶にピクルス液を充填し加熱殺菌したら完成。この日、作ったのは、旬のカボチャ(850円)やネギ(900円)のピクルスです。
(記者リポート)
「ネギのピクルス、いただきます。ネギ特有の辛みが消えていて、うまく酸っぱさとマッチしていてお酒(のおつまみ)に合いそうです」
販売は、他の店に置かせてもらう委託販売やネット販売が主ですが、イベント会場での出張販売もしています。この日は白馬村の人気施設で開かれた「週末マルシェ」に参加しました。
購入した客:
「色もきれいだし、おいしそう」
「インスタで見て高原野菜がおいしそうだなと思い来ました」
「他も全部おいしそうなんですけど、特に子どもがこれを気に入ったんで」
「パンと一緒に食べたい、おいしそう」
北村由希子さん:
「お客さんがどういったものに反応するか、生の声を聞けるという点でこういうマルシェはありがたい場所」
高い評価を得ている北村さんのピクルス。そのおいしさを余さず味わう料理も教えてもらいました。
最初は秋鮭を使った一品。塩コショウで味付けし、バターでソテー。その間にタルタルソースを作ります。
ミックスピクルスのタマネギとキュウリをみじん切りにして、ゆで卵、マヨネーズと混ぜ合わせます。
これを焼きあがった秋鮭にかけたら完成です。
簡単にできるのは、青唐辛子の刻みピクルスとパクチー、アボカド、ライム果汁を混ぜ合わせた「ワカモレ」。タコスに乗せて食べます。
ピクルス液も有効に。ネギのピクルス液にショウガとニンニクを入れしょうゆ、酒、みりん、水を加え煮立たせます。
これで手羽元とゆで卵を約30分煮込めば完成です。『鶏肉のさっぱり煮』
記者:
「いい色、ついていますね」
北村由希子さん:
「照り照りになっていますね」
記者が試食…。
記者:
「うん、やわらかいです。すごくピクルス液の酢のさっぱり感と鶏肉のジューシーさがうまくマッチして、すごくおいしいです」
野菜に魅せられ、ピクルスを1人で作り、1人で販売する北村さん。コロナの影響はあるものの、リピーターは着実に増え、手応えを感じています。
北村由希子さん:
「日々、入荷してくる野菜も加工する野菜も違うので、毎日毎日が違って頭も体もフル回転させて、とても充実しています。長野県産の野菜を瓶詰、ピクルスという形でいろんな方に知っていただくことにより、信州の魅力をもっと伝えていけたら」