回収ルールの“バラつき”が明らかに
私たちは、東京都内の全市区町村がどのように回収しているか調べた。
品川区のHPでは、リチウムイオン電池を月2回「陶器・ガラス・金属ごみの日」に捨てるように呼びかけている。

1、2週に1回程度、集積所で回収するという自治体が多い一方、清掃事務所などに持ち込む必要があるという自治体も。
都内62市区町村のうち、24自治体がごみ集積所での回収を行っていなかった。

羽村市では、リチウムイオン電池について「市では回収できません」と明記。このように、そもそも回収を行っていない自治体もある。
環境省のまとめによると、2023年度の時点で全国の市区町村のおよそ25%が「リチウムイオン電池」などを回収していない。

こうした自治体は、家電量販店などにおいてあるリサイクルボックスに持ち込むよう呼びかけている。
ビックカメラ新宿東口店 モバイルバッテリー担当者:
お客様からお持ちいただきましたモバイルバッテリーなどは、こちらでお客様に入れていただくようになっております。

ビックカメラでは、こうした回収を全国の店舗で行っている。しかし、回収の対象はリサイクル団体の会員企業の製品のみで、海外のノーブランド製品などは対象外。
製品や自治体によっては、身近に捨てられる場所がないというのが現状だ。

求められる消費者の意識
こうした状況に、国は対策を強化。環境省は4月、全国の市区町村に対して、家庭から出される「リチウムイオン電池」を回収するよう要請を出した。
ただ、世田谷区のように新たに回収を始めた自治体はあるものの、まだ開始のメドも立っていない自治体も多い。
理由について取材すると、自治体の担当者からは「適切に処理できる業者を探す必要があり、すぐには動けない」「分別収集を始めても、職員の人数が足りず対応できない」などの声があがった。

さらに、ある離島では処理できる業者がいないため、廃棄されたリチウムイオン電池が自治体の施設にたまる一方だという問題も判明した。
自治体にのしかかる重い負担。まずは、消費者一人一人がしっかり分別を行うことが解決への一歩になりそうだ。

(「イット!」10月13日放送より)
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