6月の改正風営法の施行後も、スカウトによる違法な女性斡旋が続いている実態がFNNの取材で分かった。国内最大級のスカウト組織「ナチュラル」は、摘発を逃れるための“闇アプリ”を駆使し、捜査対策マニュアルや警察の捜査情報とみられる投稿まで共有。法の網をすり抜ける巧妙な手口と、夜の街に根を張る“必要悪”の構造が浮かび上がった。

悪質なスカウトいまも続く

こちらにあるチャットアルファと書かれたアプリ。開いてみると何の変哲も無いニュースサイトが出てくるが…

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右下の印をクリックすると電卓が出てきて、さらに電卓にある数式を打ち込むと、警察の捜査を回避するためのノウハウが書かれたマニュアルなどがあらわれる。

これは、全国の警察が総力を挙げて摘発を進める「トクリュウ」と呼ばれる団体の極秘のアプリ。トクリュウが食い扶持にしている、女性を風俗店に紹介する手口については、6月に風営法が改正され、警察の取締が強化されていた。しかし…

現役スカウトの男性:
いまだに取引を続けているお店も多くて、風俗系とかも。残っているお店もかなりあります。

女子大学生:
私は、今のスカウトはSNSでつながりました。「#スカウト」ってつけると、DMすごい数になりますね。多分50件くらい来るんじゃないかと思います。

私たちのインタビューに答えたトクリュウの現役メンバーらは、摘発が強まった後もSNSなどを使って悪質なスカウトが続いていると証言した。さらに、捜査をすり抜けるノウハウにスポットライトを当てると、信じられないような闇の工作が明らかになった。

風営法改正で取り締まり強化

女子大学生:
風俗業界は、ほぼほぼスカウトさんの紹介でしか入れない、みたいな感じになってるんで。8割くらいがスカウトさん使って、風俗で働いていると思います。

そう答えるのは、スカウトからの紹介で風俗店で働いたことがあるという女子大学生。

ホストクラブで女性が高額請求される「売掛金」のトラブルや、その返済を目的に、女性が性風俗店で働かされるケースが相次いだことを受け、2025年6月に風営法が改正。風俗店がスカウトに紹介料を支払うことなどが禁止され、取り締まりが強化された。

また、警視庁はこうしたスカウトが所属する大規模グループで、匿名流動型犯罪グループ「トクリュウ」とされる団体「アクセス」を解体状態に追い込んだと発表していた。