備えの基本を押さえて防災力アップを目指す備えのツボ。今回は、地震から家を守るためのシロアリ対策についてです。

すっかり秋の空気が感じられるようになりましたが、気象庁によりますと2025年10月の気温は全国的に「平年より高い」と予想されています。

しつこい残暑の中、見えないところで被害を広げているのが・・・家の床下などに潜む「シロアリ」です。日本しろあり対策協会の調査によりますと、木造の一軒家の約3軒に1軒がシロアリの被害に遭っているということです。

岡山市東区の被害を受けた家を取材すると。

(アサンテ シロアリバスターズ(技術施工員)熊谷伸宏さん)
「全体的にシロアリが食べた跡があるが、芯までは食べていないのでそこまで酷い状態ではない。柔らかい床板を食べたかな」

高温多湿を好むシロアリは残暑が厳しい、この時期も活動が活発で、木材を食い荒らしていきます。

(熊谷伸宏さん)
「被害が酷い家だと、私の力でも潰れてしまう」
「この辺りがシロアリが食べた跡。中を見ると。中の柔らかいところを食べて進んでいく」

シロアリの最も恐ろしい被害は、家屋の倒壊です。

(熊谷伸宏さん)
「今まで施工をしてきて、まるっと1部屋落ちてしまっているというのが何軒か。土台や柱などが本来持っている強度が、中がスカスカになったらなくなる」

1995年の阪神・淡路大震災での家屋の全壊率は、シロアリによる被害があった建物では93.2%と、シロアリによる被害がなかった建物の約4倍というデータもあります。

さらに・・・
(施工を依頼した 藤原利子さん)
「(シロアリの被害があることは?)知らなかった。羽アリが飛んでいるところも見たことがないし。不安だし、気持ちが悪い」

被害に気が付きにくいのもシロアリの怖い点です。築50年以上の家に住む今回の依頼者も、シロアリ被害の自覚は全くなく、一度も点検をしたことがありませんでした。

まずは簡単なセルフチェックでシロアリ被害を確認することができます。

○4月~6月に羽アリを見た
〇以前、水漏れや雨漏りをしたことがある
〇庭に杭や切株がある
〇廊下を歩くとミシミシと音がなる
〇5年以上シロアリ防除をしていない

また、アリの道「蟻道」があるとシロアリが潜んでいる可能性が高いです。1つでも当てはまった場合は、一度、専門業者による点検を受けるようにしてください。

(熊谷伸宏さん)
「本来、この木が果たさなくてはならない役割が全くなくなる。そうなる前に、年に1回、定期点検してほしい」

そこで押さえてほしい備えのツボはこちら。
「シロアリ点検で地震から家を守ろう」

シロアリの被害は見えないところに潜んでいます。まずはセルフチェックをし、定期的に専門業者の点検を受けましょう。

岡山放送
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