石破首相は8日、歴史学者で東京大学名誉教授の北岡伸一氏と首相官邸で約30分間面会し、10日に発表の方向で調整している戦後80年に関するメッセージについて意見を交わした。
北岡氏は、安倍元首相が2015年に発表した戦後70年談話の作成に、有識者会議のメンバーとして携わった。
北岡氏は首相との面会後に取材に応じ、戦後80年に関するメッセージについて専門家の視点から意見を伝えたことを明かした。
その上で、「(石破総理は)なぜあのような戦争になったかということに非常に強い関心を持っている。これまでの談話は、植民地統治や侵略などがあったかなかったか、ということだったので、70年談話までとそれほどバッティングするようなものではない」と述べ、これまでの談話とは性格の違う内容になるとの認識を示した。
戦後80年に関するメッセージの発出には、自民党の高市総裁が総裁選期間中に「これ以上のメッセージは必要ない」と述べるなど、自民党内に否定的な声もある。
北岡氏は、「70年談話を書き換えるようなものを出すのではないかという危惧は、いろいろ言われていることはあるが、そういうものにはならないというのが私の推測だ」と強調した。