鹿児島県鹿屋市吾平町の神野地区で町おこしイベント「かみのゴッドフェス」が開催された。「神野」という地名にちなんだこのイベント、大量の農畜産物をかけた「運任せ、神頼み」のゲームが繰り広げられ、大いに盛り上がった。

神とゆかりのある静かな神野地区がにぎわった日
130人が住む鹿屋市吾平町神野地区。
静かな山あいにあり、きれいな水とおいしい米で知られている。
地区に古くからある「大川内神社」には、紀元前660年に即位したとされる初代天皇、神武天皇の両親と妃が祭られている。
9月20日、普段は静かなここ神野地区に、朝から300人近い人が集まった。地元有志が企画した「かみのゴッドフェス」が開催されるのだ。

集まったみなさんに話を聞くと、「コメが当たるとうれしいですかね。子供が食べ盛りなので」「黒牛です。みんなで焼肉パーティーをします」と、かなり具体的に狙いを定めている様子。
中には個性的なビジュアルの人も。カラフルなかつらをかぶり、サングラスにサンタクロースのような長いひげ。「神」と大きく書かれた白いTシャツ姿。「かみのゴッドフェスの”神”」だという。「米100kg、とるぞ!」と、かなり気合いの入った“神”も降臨!?した。

「ぶっとんだことをしよう」 “太っ腹”な賞品で盛り上げ
過疎が進む神野地区を盛り上げたいと企画された「かみのゴッドフェス~2025競宴~」。参加料700円で4つのゲームに挑戦し、上位入賞者にはコメ100kgや、黒豚の肉2万円分、黒牛の肉2万円分など豪華農畜産物がプレゼントされる。

神野スマイル協働隊・中原裕太隊長は「大隅の魅力を伝えるために“ぶっとんだこと”をしようかと『米100kgいいんじゃないか』と考えました」と、太っ腹の入賞賞品について語った。
「ゴッドフェス」の名前は、「神野」の「神」が由来で、主催者が考えたゲームも努力や実力では結果が決まらない、「神頼み」なものばかり。

勝負は神のみぞ知る・・・イチかバチかの作戦勝ちも
優勝賞品、黒豚の肉2万円分の「宝船競争」。船に見立てた小さな発泡スチロールに自分の番号を書き、10人分をかごに入れて、まとめて小川に流す。最初にゴールした人が勝ちというシンプルなルールだが、誰が1着かは「神のみぞ知る」だ。
黒豚の肉2万円分を獲得した優勝者はマイクを手に「欲を出さずに神様に任せた結果、優勝することができました!」と、喜びの声を語った。
一方、優勝者に鶏肉2万円分が贈られる「清流輪投げ」の決勝戦。10点から120点の点数が付けられた12色のポールに、3本の輪を放ち、合計得点で競う。ただし参加者は何色のポールが何点かは分からない。すべて同じ色を狙うもよし、バラバラに狙うもよし、こちらも結果は「神のみぞ知る」だ。
みごと鶏肉2万円分を獲得したのは3本とも銀色のポールを狙った男性。「『金』より良いと書いて『銀』。『銀』に一点賭けでした!」と作戦を語り、来場者から「おー」とうなる声が上がった。

大盤振る舞いのコメ100kgに「最高でーす!」
さまさまなゲームの中で、参加者が全神経を集中させて挑んでいたのが「重量当てクイズ」だ。それもそのはず、このゲームの賞品はコメ100kgと、主催者が思いを込めた“ぶっとんだ”ものだ。

米俵のオブジェを予選では2個、決勝戦では3個持ち上げ、合計の重さが正解に一番近かった人が、優勝となる。正解は7584gだが・・・
優勝は「7500g」と書いた女性。見事、コメ100kgを獲得した。
「100kgって想像つきません。うちは家族2人ですが10年分あるかもしれません」とちょっと戸惑いながらも「ありがとうございました、最高でーす!」と喜びの声をあげた。

「結果は神のみぞ知る」を合言葉に大いに盛り上がった神野地区の「かみのゴッドフェス」。
地域の魅力がたっぷり詰まった太っ腹なイベントは大いに盛り上がって終了した。
ちなみに、先ほど「欲を持たずに神様に任せた」と言っていたあの女性は、大量の黒豚の肉を目の前にすると...「食欲しかないです!(笑)」と、満面の笑みをみせていた。
