秋田市で革製品を扱う店を開いている男性がいます。国内や海外で加工の技術を学び、秋田市に戻ってきた男性はいま、秋田をモチーフにした革製品の製作に取り組んでいます。全ての製品を“手縫い”で仕上げる男性のこだわりと思いに迫ります。

◆海外で学び日本の技術の高さ知る◆
机に向かい一心に革の加工に取り組む男性、菅原真人さん(39)です。自身が制作した革製品を販売する店「ROVER(ローバー)」を営んでいます。

菅原さんは、19歳の時に独学で革の財布やキーホルダーを作ったのをきっかけに、革製品の魅力に引き込まれました。

その後、群馬県の工房で6年間加工の技術を学び、スキルをさらに上げようと海外へと旅立ちます。制作した商品をタイやカンボジアなどで販売しながら海外の革製品の技術を学びました。

ROVER・菅原真人さん:
「単純にバックパックで旅したいというのもあったが、自分がやっていることにプラスさせたいなと思った。海外の革製品の色使いを見て『こういうものもあるのか』と思い、自分の経験につながった。市場ではいろいろな革製品が売られているが、それを見て日本の革製品はレベルが高いと思った」

◆“手縫い”と“なめし方法”にこだわる◆
海外の技術を学ぶとともに、日本の革製品の品質の良さを再認識した菅原さん。秋田に戻り、2016年に自分の店「ROVER」をオープンさせました。

菅原さんが制作する革製品は全てハンドメイド。中でも縫う作業はミシンを使う工房が多い中、菅原さんはあえて手縫いにこだわっています。

ミシンよりも倍以上の時間がかかりますが、丈夫に仕上がり、縫い目がほどけたとしても広がらずにそこから縫い直すことができるため、メンテナンス性にも優れているということです。

ROVER・菅原真人さん:
「ミシンだとすぐに縫えるものが、手縫いだとどうしても時間がかかる。それでも手縫いで教わって自分の店を開いたので、そこは貫いていきたい」

菅原さんは、植物から採取したタンニンでなめした革を使っています。年月がたつにつれて、つやや形の変化が楽しめる、いわゆる革の味が出やすいということです。

ROVER・菅原真人さん:
「タンニンなめしは使っている人の癖や経年変化が出るので、そこが良いところだと思う。自分で作った商品はいっぱいあるが、最初はゼロの状態で、客が1でも10でも100でも形を完成させられるようなものを作っている」

◆秋田モチーフの製品を世界へ◆
そんな菅原さんは、革製品の魅力を多くの人に感じてもらいたいと、なまはげや秋田犬をモチーフにしたキーホルダーを制作しました。

キーホルダーは全て男鹿市の真山神社で家内安全などを祈願したもので、“お守り”としても人気があります。

また、店ではワークショップも開いていて、自分でパーツを組み合わせて好きな色のなまはげや秋田犬のキーホルダーを作ることができ、外国人観光客にも好評です。

菅原さんの夢は、日本だけでなく、世界にも秋田がモチーフの革製品を広げていくことです。

ROVER・菅原真人さん:
「海外に足を運んで自分自身を成長させていきたい。なまはげとか秋田犬のキーホルダーをきっかけに、世界に発信していければいいと思う」

秋田から世界へ。菅原さんはこれからもこだわりの革製品を作り続けます。

(※菅原さんの年齢は放送日時点のもの)

秋田テレビ
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