朝晩、涼しくなり、ようやく秋らしくなってきた福岡県。そんな空気の中、福岡県西北に位置する糸島市では、甘くて見た目もかわいい果物が、出荷のピークを迎えている。

“極早生”ミカンの「早味かん」

JA糸島の園芸流通センターで現在、出荷のピークを迎えている果物が、“極早生(ごくわせ)”ミカンの早味かん(はやみかん)だ。

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早味かんは、福岡県が開発したオリジナル品種で「青くて甘い」のが特徴。県内のミカンでは最も早く9月下旬から10月中旬に出荷される。2015年に販売が開始され、10年目となる。

「これが、福岡県が開発した早味かんです」とミカン畑を案内してくれたのは、9年前から、早味かんを手掛ける糸島市内のミカン農家、荻原昌之さん。荻原さんは現在、収穫作業の真っ最中だ。約50本の木に、青くて小粒の早味かんがぎっしりと実っていた。

生産者の荻原さんは「今年の出来は、夏が、非常に日照りが多くて、糖度も酸度もある程度高くなっている。糖度が10度~11度、この“極早生”ミカンの中では、最高級だろうと思います。この時期にしては、ですね」と話す。

日差しが強すぎ皮が焼けることも

夏の高温が、果実にあま味をもたらせた一方で、大変な苦労もあったという。「ここの部分が日焼けしているので、中の水分が取られる。中は、どうもなっていないけど、水分が取られるので、どうしても商品価値がないということになる」(生産者・荻原さん)。

ここ数年は、日差しが強すぎて皮が焼けてしまうケースが相次いでいた。そこで品質に影響のない炭酸カルシウムで表面を覆うなどして対策をしている。

手間暇かけて大切に育てられてきた早味かん。記者が、特別に収穫を体験させてもらった。つやつやだ。皮が薄くて、実がぎっしり詰まっている。試食すると、プチプチしていて甘くておいしい。味も濃くて中の粒の感じも舌触りで分かるほどだ。

早味かんは、10月中旬まで出荷され、福岡県内を始め、関東や関西など、各地に届けられる。

秋が深まる前のこの時期ならではの旬の味覚。召し上がってみてはいかが。

(テレビ西日本)

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